人事部告白】追い出し部屋、バブル組、戦力外通告…40代で終わる人 | 人生の水先案内人

人生の水先案内人

全国の倒産情報をいち早くお伝えします。

社員に退職を促す「追い出し部屋」が話題に。

お荷物社員にならないためにはどうすべきか。

有力人事部員が「生き残る人材」の条件を語り尽くす。

 B評価で突然の戦力外通告

 
【金融】社員を退職に追い込むための「追い出し部屋」が話題になった。アメリカのように簡単にクビを切れないという日本の事情を考えると致し方ない面もある。

一般の人から見ると何千人削減とか聞くと胸の痛む話ではあるが、経営者としてはそこまでしなければ経営危機を乗り越えられないという相当苦しいジャッジだと思う。

 
【IT】退職勧奨を受けて嫌だというので配置されたと思うが、なぜ受け入れないのかよくわからない。

当然、その前に人事評価に基づいて判断されている。つまり、どの部署からも引き取り手がなく、配置先がないというのは本人に問題があるからだ。

世の中は円高だ、経営が厳しいと言われながら、ぬくぬくと自分だけは残りたいと思うこと自体がナンセンスだと思う。

どこからも呼ばれないということは、会社と相性が悪いからと考えてほかで働き口を探すほうがよい。

 
【食品】会社にも問題があると思う。

追い出し部屋の悲劇は、まさか自分がそんな目にあうことはないと思っていた人が突然、「おまえはいらない」と言われたからだ。

おそらく彼らの人事評価は下のD、Eの評価がついていたわけではなく、B評価、悪くてもC評価をもらっていた人たちだろう。

だから突然の戦力外通告に驚いた。

最初からD、E評価をつけられ、会社に貢献していないよ、とずっと言い続けられていれば、本人も気づくだろう。

しかし、手のひらを返すように辞めろと言われればやはりつらいだろう。

 
【流通】確かにそういう事態になる前に自分はやばいな、何とかしようという行動をとるように指導してこなかった会社側にも罪はある。やはり大事なのは適正な評価を日頃からやっていることだ。

親心で甘くしていると部下のためにもよくない。相手がショックを受けようが、泣かれようが厳しい評価とフィードバックして危機感を与えることが本人のためにもなる。

 
【精密】誰も会社から辞めろと言われ、嫌な思いをして去りたくない。

しょうがないなと自分の心の中で少しは決着がつけられるような去り方ができればよかった。

追い出し部屋に至るまでにやることがあったのではないか。

 
【食品】会社の変化のひずみの影響を受けているバブル入社組の40代は割を食っている。

他の世代に比べて相対的に人数が多い割にポスト不足。加えて課長の昇進年齢は30代前半に下がり、役員になる年齢も下がっているからライバルは多い。

管理職になれない人は、30代前半の課長、40代の役員からすれば非常に使いづらい存在だ。

 
【IT】うちでもボリュームゾーンに位置し、彼らをどうしていくのかという議論がいつも必ず起きる。

マネジャーになれればいいが、ポストに就けない社員をどうするのか。

別の職場に配置するのか、あるいは外に出そうという力学が働く。

経営課題とまではいかないが、大きな課題となっている。

 
【精密】社員の平均年齢は44歳。

私が入社した頃の同世代は大半が課長になっているが、今は同期でなれるのは半分ぐらい。部長だと2割ぐらい。

今後はその確率はもっと低くなるだろう。

 
【IT】同期で課長になるのは3割を切っている。

課長の平均年齢は37、38歳だが、少なくとも35歳ぐらいで係長になっていないと課長になるのは難しいね。

また、40歳で課長になっても部長にはなれない。次長どまりも増えている。

次長になる確率は2割を切っているし、部長はさらに厳しく、同期が50人いるとすれば、その中から部長になるのは1人か2人ぐらいだ。

 
【流通】ポストが不足しているので以前はラインの部長や課長の下に担当部長、担当課長というポストを置いていたが廃止した。

というのは、あの人はラインではないのになんで給料が高いんだという話が必ず起きる。

だから、なんちゃって管理職はうちにはいない。ラインを外れたら一つ下に降格するか、平社員になるしかない。

 
【広告】うちは若い企業だから逆に40代が少なく、30代がボリュームゾーンになっている。

ただ、いずれ40代が増えるのは間違いない。

そうなる前に40代になる前後に退職も含めたキャリアチェンジの仕組みをつくっていかないといけないと考えている。

 業績が高いだけでは昇進できない

 
【食品】昔の課長は連結ピンの役割だった。

上と下の間をつなぐことができれば優秀な課長と言われたものだ。

だが今はトップが意思決定するのでは遅すぎるという時代。

しかも上はざくっとした絵しか描けないから、それをちゃんと絵にして下を引っ張っていく役割が課長に求められている。

その意味では経営者精神のある人であり、昔のように降りてきた仕事をマネジメントするというだけの課長では務まらない。

 【金融】もちろんプレーヤーとしての業績がよくなければ候補にも挙がらない。

ただし、業績が高いことで自信過剰になり、周りにも同じような成果を出すことを期待し、叱咤するだけでは組織を動かせない。

柔軟性を持って現場の社員とコミニュケートできるか。

また、自分の欠点を謙虚に認めることができるかというポテンシャルを課長昇進の基準に据えている。

 
【IT】課長や部長になるには基本的には業績を挙げていることが大前提だ。

課長の仕事として大事なのは最後は部下の尻ぬぐいができるかどうかだ。

たとえば期日までに資料をつくらないといけない場合、部下が病気で休んだら課長自ら資料をつくれないとダメだ。

 
【流通】この数年人事部内では、人を判断する場合は表面を見るのではなく面積で見るようにと言い始めている。

短期的な業績の善しあし、今の職場における評価だけではなく、どこに配置しても同じ職責が果たせるような行動と成果の再現性が高いかどうかを見ている。

たとえば業績の高い部署で力を発揮して、業績が悪い部署でも同じような働きができるかだ。

 
【広告】マネジャー昇進の最大の要件は、人望があるかないかだ。

すばらしい業績を挙げても、報酬では報いることがあっても人望がなければ絶対に昇進させない。

昇進候補者が各事業部から上がってくると、人事部が直接面談して判断している。

昇進させないと判断すれば、部門長に「彼自身にとってもマイナスとなる可能性があるので時期尚早」と具体的に説明している。

 【金融】昔は実績をベースに登用していたが、それに加えていかに組織力を向上させることができるかだ。今は正社員もいれば契約、派遣、外国籍の社員もいる。それぞれ会社に対する向き合い方が違うし、単に「会社のためにがんばろう」という掛け声だけでは職場を束ねられる時代ではない。目標達成の旗振り役の課長はいらない。

 
【IT】課長になるタイプというのは、若いときから一つ上のポジションを夢見て、課長になったらこうしたいとか、部長になったらこうしようとか、上司を見て考え続けている人が多い。

各部門長には係長から課長に推薦する際は「すでに課長の仕事ができている人を出してくれ」と伝えている。

昔のように課長をやらせてみようかという曖昧な基準で選ぶことはやめている。

 
【精密】人柄、資質的に課長になれないタイプというのは、コツコツ真面目にやっていればいつかは認められると思っている人。

僕から言わせれば「無能で真面目なやつ」はいらない。

間違ってもいいから自分の意見を持ち、訴える力のある人でないと課長になるのは難しい。

うちの会社では、これをやりたいと言えば、やってみればという社風なのでそういう人間が出世していく。

 
【広告】課長になれない、課長になっても降格される人というのは一言で言えば組織運営のパフォーマンスが低い人。

部下や後輩との信頼関係が築けない人、横や斜めの組織との連携が悪い人。

構想力に欠ける、自分で目標を描けない、外部の環境を把握できない、そしてヒューマンスキルに欠ける人だ。

 
【食品】降格させる場合の判断はなるべく定量化してチェックしている。

人事評価のオフィシャルな情報以外に、部下や同僚、上司が本人をどう評価しているかという「多面評価」と「ストレス診断」、それと職場の「残業時間」の3つを加えて判断している。

毎年組織のストレス度を調査しているが、多面評価とストレス診断を掛け合わせると、その部署の長がどんな人で職場がどんな雰囲気なのかが大体わかる。

どうも点数が低いなと思えば、ヒアリングをしてみて、悪い結果が出れば降格させる。

それから残業のコントロールができているかどうかを見る

少なくとも部員の平均で50時間を超えていればアウトだ。

 役員に面と向かってケンカできるか

 
【金融】課長なら多少は単純な思考の持ち主でも務まるかもしれないが、部長は間違いなく物事を複眼的に見ることができる人だ。

課長より部長の責任は数倍も大きい。うちでは課長は決裁しないし、決裁責任を持つのが部長。

あとがないという意味では決断力が問われる。

経営戦略に基づいて部長が方向性を示し、ジャッジし、パフォーマンスを出さなければ部長の責任になる。

 
【IT】部門のビジョンをつくれる人かどうかだ。

自分がつくった旗を立てて部員に理解してもらい、一つの方向性に導く指導力と度量を備えた人だ。

 
【精密】基本的には、彼ならそうだよねという周囲の納得感を得られる人だ。逆に部長になれない人というのは、自分が考えることだけを部下に伝えて、双方向のコミュニケーションができない人だ。

部下の考えもしっかりと聞いて、そのうえで判断を下せる人。

 
【流通】仕事に対するエネルギー量は課長に比べて圧倒的に多い。

自分の預かっている領域だけをなんとかうまく収めようというタイプは部長には登用されない。

部長になっている人に共通するのは、様々なことに対する好奇心が人一倍強く、なおかつ行動力があり、何かあったときのアクションも早い。

もっと何かやろうぜという貪欲さを持った欲張りなタイプだ。

 【IT】役員になる人は、うちの社風で言えば、部長時代に役員とケンカができるようなタイプが多いな。役員に面と向かって議論ができるぐらいの度量のある人が役員になっている。

 
【金融】今の経営会議は昔のように根回しをして終わる場ではない。

社長をはじめ上席の役員がいても、臆することなく議論を吹っかけることができないとダメだ。

実際に議論が紛糾して再審議にかかる案件も結構ある。

度量に加えて自分の意見を納得させるに足るロジックを立てて理屈が言える人だ。

 
【広告】事業を執行するのは部長だが、どうしても部門最適に陥る危険性もある。役員は様々な事象を踏まえて、短期よりは中期、顧客の視点から見てどうなのか、コンプライアンス上問題はないのかという多角的な視点で事業をチェックできる人だ。

 【精密】喜怒哀楽はあってもいいが、突然切れる人は困る。感情の起伏が激しい人は必ずといっていいほど部下を殺している。人事としてはそういう人に会社の経営を任せたくない。

 
【食品】役員になる人は基本的に人気者じゃないとダメだと思う。

とくに下の人間から慕われている人だ。

 
【IT】役員人事にも関わっているが、社長が提案した人事でも問題があれば「これはダメです」とはっきり言う。

いくら部門のパフオーマンスが高く、優秀であっても、たとえばわけもなく急に激高するなど、感情に起伏がある人は役員にしてはいけない。

 
【流通】人事部としてはサクセッション・プラン(後継者育成計画)の優先順位に基づいて、バランス能力に優れた人を役員候補に推薦している。

だが、部門の担当役員はどうしても成果志向が強く、業績を挙げている人間を推薦してくる。だが、そういうタイプに限って組織がガタガタになった例が実際にある。

そういうタイプは若いときから周囲に評価されてきた人がなぜか多いんだ。

本人もチヤホヤされて育ってきたから自信家が多い。

 40歳からの「転職・退職」制度

 
【金融】うちでは課長でも課長代理に下がるポストオフの制度もあるし、結構ドライにやっている。

それでも成長しない場合は現場の指導に任せているが、なかなか打つ手がないのが現状だ。

 
【IT】うちでもあいつは使えないと思うのであれば、部門長に迷わずに評価を下げて降格してくださいと言っている。

たとえば、なかなか次の配置が決まらない社員が必ず出てくる。

部門長に「どうするんですか?」と聞くと、じつは彼はいらないんだと言う。

行き先がないから、給与が下がってもいいなら今のところに置いてやってもいいと本人にも通告し、奮起を促している。

 
【流通】うちでは以前から降格だけではなく、退職勧奨をやってきているので、成績が悪いと次は俺かという感覚を社員も持っている。

また、一定の要件を設けてある年齢で自ら辞める場合は、退職金プラス12カ月支給とか24カ月支給するというセカンドキャリア支援制度もある。

 
【精密】法律に関係なく、辞めさせる手段はある。辞める、辞めないで揉めることは確かにある。

そういう場合は労働審判に駆け込むケースが多いが、あれは3回の審理でお金を払えば解決できるので労使にとってはいい制度だ。

しかも多額のお金を払う必要はない。

最初は500万円ぐらいかかると思っていたが、200万円ですんだ。

 
【IT】うちは早期退職制度のプランを常備している。

以前は50歳以上だったが、今は45歳まで下げて退職加算金も増やしている。

正直言ってお金を払って辞めてもらえるのであれば、そっちのほうが助かる。

 
【広告】うちの社員は今は30代がボリュームゾーンであり、今後課長になれない人をどうするのか対策を考えている。

具体的には40歳定年制ではないが、40歳からは違うキャリアプランを用意したい。

たとえば経営の中枢を担当する人は1割以下で十分だ。

もう一つは30代までと同じような形で力を発揮してもらう営業のプロや技術力に長けた人。

問題はそれ以外の多数の普通の人だ。

転身支援金制度を設けて辞めるという選択肢も用意したい。