[5日 ロイター] -
米労働省が5日発表した8月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が14万2000人増で、伸びは市場予想の22万5000人を大幅に下回り、8カ月ぶりの低水準となった。
今回の統計は、連邦準備理事会(FRB)が利上げ時期を先延ばしする新たな要因となるとの指摘も出ている。
失業率は6.1%で市場予想と一致、前月から0.1%ポイント低下した。
市場関係者の見方は以下の通り。
●早期利上げの懸念後退、株式に好環境
<フェニックス・ファイナンシャル・サービシズの首席市場アナリスト、ウェイン・カウフマン氏>
今年最小の雇用の伸びで、悪い意味でのサプライズだったと確実に言える。
10年債利回りは低下しており、連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早く利上げに動くと懸念していた投資家が安心したことを示している。
この点で状況が変わるリスクはない。
久しぶりに本当にネガティブな内容となった。
それにもかかわらず経済は改善を続けている。
これは株式にとっては素晴らしい環境だ。「ゴルディロックス経済」という言い回しは個人的に嫌いだが、それが現在の状況だ。
イエレンFRB議長が時期尚早に引き金を引くことはないだろう。
各国中銀はインフレ阻止よりもリセッション阻止に注意を払っており、これは株式にとって絶好の環境だ。
●FRB議長の政策スタンスを正当化
<バンクレート・ドットコムのシニア・ファイナンシャル・アナリスト、グレッグ・マクブライド氏>
ほとんどの家計にとって収入の伸びは物価上昇率にほとんど追いついていない。
この雇用統計は追加的な悪いニュースで、再び失望することになった。
ただ、月間の雇用の伸びは20万人近辺を今後維持するとみられ、今回の数字は例外的で、新たなトレンドが始まったわけではない。
雇用が(20万人近辺)水準で伸びても絶好調というわけではなく、幅広い賃金上昇率の加速は期待できない。
この統計はイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の政策スタンスを正当化している。
今月FRBが金利のスタンスを示す際に十分に正当性を与える材料となる。
●内訳底堅い、FRBの政策運営後押し
<アリアンツの首席エコノミスト、モハメド・エラリアン氏>
非農業部門雇用者数は失望を誘う伸びだったが、内訳をみると、長期失業者が19万2000人減少したほか、失業率も6.1%に改善した。
U6(完全失業者、縁辺労働者、経済情勢のためにパートタイムで就業している人)の失業率も含め、今回の改善は労働参加率の低下によるものではない。
したがって全体としては米連邦準備理事会(FRB)による着実な政策運営を後押しする内容といえる。