【糖尿病でも安心“正しい”熱中症対策を】(3-1)
2014.6.20
■日本人の5人に1人が“糖尿病+予備群”
新年度が始まって早くも3カ月。健康診断で生活習慣の見直しを指摘された人もいるのではないだろうか。
がん、脳卒中、心臓病は日本人の三大死因といわれているが、知らぬ間に進行する糖尿病も同等に恐ろしい病気だ。
しかし、近年はその予防法に関する情報も多数提供されている。
生活習慣病に関する正しい知識は、現代人にとっての“必修科目”といえそうだ。
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中高年になると増える病気“成人病”が、生活習慣に着目した「生活習慣病」に
名称変更したのは1996年のこと。
病気になってから治療するよりも、病気を引き起こさないように予防することが大切だ、
という考え方への変化を象徴する出来事といえる。
当時の厚生省は、生活習慣病について「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの
生活習慣が、その発症・進行に関与する症候群」と定義づけた。
◆進行すると合併症引き起こす
具体的には以下の通りだ。
・食習慣=インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、
高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、
歯周病など。
・運動習慣=インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、
高血圧症など。
・喫煙=肺扁平(へんぺい)上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、
肺気腫、歯周病など。
・飲酒=アルコール性肝疾患など。
(出典・「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について」1996年12月、厚生省)
では、これらをどう予防すればいいのか。
日本生活習慣病予防協会は「一無・二少・三多」という表現で無煙=禁煙、少食・少酒、
「体を多く動かす」多動・多休・
「多くの人、事、物と接して創造的な生活をする」多接をすすめている。
かつてはぜいたく病と呼ばれた糖尿病。実はれっきとした生活習慣病だ。
その糖尿病の実態が2013年に厚生労働省によって明らかになった。同年発表された
「2012年国民健康・栄養調査」は、糖尿病患者とその予備軍の数が2050万人に達している、
と指摘している。
いわば、国民の5人に1人が糖尿病患者かその予備群になっている格好だ。
糖尿病は、高血糖状態が続く病気で、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種であるインスリンが深く関わっている。
体質的にインスリンの分泌が少ない人や暴飲暴食、メタボ、運動不足など生活習慣の乱れによりインスリンの働きが不足する場合に血糖値が高い状態が続き、体全体の血管に影響を与え、糖尿病を発症する。ただし自覚症状はないため、そのまま放置してしまう場合も少なくない。
進行した糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす。三大合併症と呼ばれるのは「糖尿病性神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」だ。
その他にも糖尿病から動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳梗塞などを引き起こすこともある。また、がん・アルツハイマー・骨粗鬆(こつそしょう)症、骨折、鬱病、歯周病も糖尿病との関連が指摘されている。
失明の危険を伴ったり、腎臓の機能不全を起こしたりと合併症を伴う病気なのであなどれない。
◆血液検査で早期発見
糖尿病を早期に発見できる方法として血液検査が挙げられる。血液中の血糖を調べる検査は各自治体が住民に対して行っている健康診断にも含まれている。
検査結果が正常値より上の場合と境界線上にいる(いわゆる予備群と呼ばれる人たち)に対してはさらに詳しい検査が勧められる。
「男性65.9%、女性64.3%」
これは糖尿病が強く疑われる人のうち、治療を受けている人の割合だ(2012年国民健康・栄養調査)。せっかく受けた検査の結果は上手に生かす必要がありそうだ。
糖尿病の治療は、食事療法、運動療法を中心に行われている。食べ過ぎや運動不足といった日常の問題点を、専門医と相談しながら改善し、正常な血糖値のコントロールを目指すというものだ。ただ、生活改善で血糖値がうまくコントロールできない場合は、薬物療法による治療も行われる。
2013年、世界の糖尿病患者は3億8200万人以上。数十年後には、その数が5億9200万人にまで増加するとの予想もある。予防と早期発見、そして適切な治療は、世界的にも強く求められているのだ。
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■参考文献
書籍▽『糖尿病と上手に付き合う最新医療とおいしい食事療法』宮崎滋・小山律子、
日東書院▽別冊がんサポート『STOP!糖尿病 腎臓病』エビデンス社
ホームページ▽厚生労働省、日本生活習慣予防協会、糖尿病ネットワーク、国際糖尿病連合
日本経済新聞朝刊5月24、25日付 「家庭のためのやさしい医学講座・糖尿病前編・後編」
■手軽にリスクチェック
生活予防協会のサイト(http://www.seikatsusyukanbyo.com/tool)
で生活習慣病のリスクが手軽にチェックできる。