欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎NY外為:円ほぼ全面安、逃避需要減退-高利回り通貨高い
ニューヨーク外国為替市場では円が下落。
逃避需要が減退した。
前日はウクライナやガザの情勢悪化で円は上昇し、対ユーロで5カ月ぶりの高値をつけていた。
円は主要31通貨中27通貨に対して下落。
一方、ブラジル・レアルやインドネシア・ルピアなどの高利回り通貨は上昇した。
マレーシア航空機を撃墜した地対空ミサイルはウクライナ東部の反政府勢力が支配している地域から発射されたと、オバマ米大統領は述べた。
ユーロは対ドルで一時5カ月ぶりに1.35ドルを割り込んだ。
米消費者マインド指数が低下したことを背景に、ドル指数 は4週間ぶりの高水準から下げた。
シティグループの主要10通貨(G10)戦略の米州責任者、リチャード・コチノス氏は
「投資家はこの問題が注文やポジションにどんな影響を及ぼすのか答えを探っているが、
まだはっきりしていない」と指摘。
「リスク選好の動きでもない。週末はたいてい慎重になるものだ。
投資家の心の中ではこの問題は未解決だと思う」と述べた。
ニューヨーク時間午後5時現在、
円は対ドルで前日比0.2%安の1ドル=101円34銭。
円は対ユーロで0.2%安の1ユーロ=137円08銭。週間では0.6%上昇した
ユーロはこの日対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3524ドル。
一時は1.3491ドルと、2月6日以来の安値をつけた。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は0.1%未満下げて1009.53。一時は1011.12と、6月20日以来の高水準となった。
「リスクバロメーター」
ブラジル・レアルと南アフリカ・ランドはこの日、主要31通貨の中でドルに対する値上がり率が上位となった。インドネシア・ルピアも高い。
ユーロは対ドルで一時1.35ドルを割り込んだ。
同水準は一部トレーダーの間で、欧州中央銀行(ECB)の取り組みの成功と失敗を分ける境界線としてみられている。
モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者イアン・スタナード氏(ロンドン在勤)は
「ユーロ・円相場は非常に重要なクロスとして注目したい。
現在の環境で非常に良いリスクバロメーターとなり得る」と指摘。
「こうした出来事が続くようならば、マーケットはそれを考慮し始める必要があるだろう」
と述べた。
アムステルダムからクアラルンプールに向かっていたマレーシア航空の旅客機は17日、ウクライナ東部で撃墜され乗客・乗員298人全員が死亡した。
イスラエル軍の地上部隊がパレスチナ自治区ガザに侵攻。
エジプト提案の停戦が不調に終わり、イスラエルはイスラム原理主義組織ハマスなどパレスチナ武装勢力によるロケット弾の攻撃を阻止するための軍事作戦を始めた。
米金融当局の見解
米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は7月に81.3と、前月の82.5から低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は83だった。
米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した6月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.3%上昇した。
前月は0.7%上昇(速報値0.5%上昇)に上方修正された。
米セントルイス連銀のブラード総裁は前日の講演で、労働市場の改善やインフレのペースが当局の目標である2%に向けて加速しつつあることから、異例な金融刺激策からの撤退が早まる可能性があるとの認識を示した。
原題:Yen Drops as Waning Haven Demand Triggers Rally in Real,Rupiah(抜粋)
◎米国株:反発、ウクライナ懸念和らぐ-グーグル高い
米株式相場は反発。
ウクライナや中東での危機をめぐる懸念が和らいだ。グーグルは4-6月期の売上高がアナリスト予想を上回ったことを手掛かりに買われた。S&P500種株価指数は前日、4月以降で最大の下げとなっていた。
グーグルは検索連動型広告の販売が伸びた。ダウ工業株30種平均構成銘柄ではジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やボーイング、ナイキの上げが目立った。
一方でアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD )は大幅安。売上高見通しが市場予想に届かなかった。
S&P500種 株価指数は前日比1%高の1978.22。
ダウ工業株 30種平均は123.37ドル(0.7%)上げて17100.18ドル。
米ウェルズ・キャピタル・マネジメントの最高投資ストラテジスト、ジェームズ・ポールセン氏は「これだけのニュースが出れば、反射的な反応が見られる」とし、
「トレーダーが前日反応して値下がりし、それがきょう投資家を呼び込んだ。
投資家が買いを考えていたところで急に株価が大きく下げたという状況かもしれない」と続けた。
前日はS&P500種は1.2%安となっていた。
旅客機墜落
マレーシア航空の旅客機は17日、ウクライナ東部の上空で撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡した。その前日には米国と欧州連合(EU)がロシアに対する追加制裁を発表していた。
旅客機墜落をめぐってはロシアとウクライナが非難の応酬が繰り広げられた。
17日はまた、イスラエル軍の地上部隊がパレスチナ自治区ガザに侵攻したことに反応し、取引終盤に下げを拡大した。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX )は前日に32%上昇の14.54で終了し、13年4月以来の大幅な上げとなっていた。
この日は17%下げて12.06。
米民間調査機関コンファレンス・ボードがこの日発表した6月の米景気先行指標総合指数(LEI)は5カ月連続での上昇となった。一方で米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は7月に81.3と、前月の82.5から低下した。
企業決算
S&P500種の構成企業のうち140社余りが来週に決算発表を予定している。
これにはネットフリックスやマクドナルド、ボーイング、アップル、マイクロソフトが含まれる。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、構成企業のうちこれまでに決算を発表した82社では、約77%で利益、70%で売上高がそれぞれ予想を上回った。
USバンク・ウェルス・マネジメントで1200億ドル相当の資産運用に携わるジム・ラッセル氏は「第1四半期を踏まえ、第2四半期を迎えるにあたっては当社の期待は若干低かった」とした上で、「第2四半期は始まりよりもずっと力強い状態で終えたようだ。経済というドラムの音は大きくなりつつあり、市場を前進させている」と続けた。
S&P500種の業種別10指数は全て上昇。
ヘルスケアやテクノロジーの指数が最も上げた。
グーグルは4.2%高の605.11ドル。
上昇率は昨年10月以来で最大。
主要な広告事業の強化を目指す
ラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)は、ユーザーの利用を増やし、広告主を引き付けるために携帯や動画、ウェブの各サービスで新たな機能の追加を進めている。
その結果、ユーチューブや検索画面などグーグルのサイトの広告クリック数は4-6月期に33%増加し、広告価格下落の影響を補った。
ブルームバーグ米航空株指数は2%高。
前日は3.2%下げていた。
一方でAMDは16%安と、12年以降で最大の下げとなった。
原題:U.S. Stocks Rebound as Google Jumps While Ukraine ConcernsEase(抜粋)
◎米国債:3日ぶりに下落、ウクライナの緊張緩和
18日の米国債は3日ぶりに下落した。
ウクライナ上空でのマレーシア航空機撃墜から一日経過し、逃避需要が減退した。
前日はマレーシア航空機がミサイルを被弾し撃墜されたほか、イスラエル軍がガザへの地上侵攻を開始したことで、米国債への逃避需要が高まった。
この日の下げで週間ベースの国債は上げ幅を縮小した。
オバマ米大統領はウクライナでの戦闘を即刻停止するよう求めた。
朝方発表された6月の米景気先行指数は5カ月連続での上昇となった一方で、7月の米消費者マインド指数は前月から低下した。
グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の
米政府債トレーディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、
「市場は地政学的な懸念事項が経済にどのような意味をもたらすのかを見極めている」と述べ、「こうした地政学的な懸念事項があるときは経済統計は脇に追いやられる」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、
10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.48%
。同年債(表面利率2.5%、2024年5月償還)価格は10/32下げて100 5/32。
5年債は5bp上昇して1.67%。前日は7bp下げた。
10年債のネットショート
米商品先物取引委員会(CFTC)の統計によれば、ヘッジファンドなど大口投機家の10年債に対するネットショートは15日終了週で5万3626枚と、前週の9万7772枚から減少した。
10年債利回りは週間ベースで3bp下げた。
前週は12bpの下げだった。
ブルームバーグ世界債券指数 によると、米国債のリターンは年初から3.6%。
ブルームバーグ世界先進国ソブリン債指数は5%となっている。
マレーシア航空機を撃墜した地対空ミサイルはウクライナ東部の親ロシア分離派勢力が支配している地域から発射されたと、オバマ米大統領がこの日述べた。
大統領はまた、イスラエル軍のガザ侵攻に支持を表明した。
三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は
「こうした出来事が世界経済あるいは米国経済を減速させるとは思わない」と述べた。
景気先行指標
米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した6月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.3%上昇した。
米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は7月に81.3と、前月の82.5から低下した。
5年債と30年債の利回り格差は162bpと、2009年2月以来の最小となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が今週の議会証言で、刺激策は依然として必要であると述べたほか、景気回復が加速すれば予想よりも早期に利上げする可能性があると示したことが材料となった。
フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、当局が2015年7月までに政策金利を引き上げる確率は約59%となっている。
原題:Treasuries Fall First Time in 3 Days as Ukraine TensionEases(抜粋)
◎NY金:反落、米早期利上げ観測-ウクライナ懸念を相殺
ニューヨーク金先物相場は3日ぶりの下落。
ウクライナとロシアの緊張激化への懸念はあるものの、米金融当局が予想よりも早期に利上げに踏み切るとの観測が強まった。
オプションズエクスプレスのシニア商品アナリスト、ロブ・クルザトコウスキ氏は電話インタビューで、「米金融当局が引き締めを開始するとの懸念が若干ある」と指摘。「きのう見られた不安は消えつつある」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比0.6%安の
1オンス=1309.40ドルで終了。
週間では2.1%下げて、2011年8月以降で最長の連続高がストップした。
原題:Gold Declines as Interest-Rate Outlook Trumps UkraineConcerns(抜粋)
◎NY原油:週間で1カ月ぶりに上昇、ウクライナと中東緊張で
ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はほぼ変わらず。
週間ベースでは1カ月ぶりの上げ相場となった。
ウクライナで起きたマレーシア航空の旅客機撃墜、イスラエルのガザ地上侵攻が影響している。
エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「ウクライナ東部と中東のニュースは世界最大級の産油諸国のもろさをあらためて浮き彫りにした」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は前日比6セント(0.06%)安の1バレル=103.13ドルで終了。
週間では2.3%、年初からは4.8%の値上がり。
原題:Oil Prices Cap First Weekly Gain in a Month on UkraineConflict(抜粋)
◎欧州株:総じて安い、ウクライナ問題で-週間はプラス維持
18日の欧州株式 相場は総じて安い。
ウクライナとロシアの対立が激化するとの懸念が強まった。
指標のストックス欧州600指数は週間ベースでは上げた。
スウェーデンのトラックメーカーであるボルボ と、ノルウェーのメディア会社シブステッドが大きく下げた。
両社の第2四半期利益がいずれもアナリスト予想に届かなかった。
航空会社エールフランス・KLMやアイルランド同業ライアンエア・ホールディングスを中心に旅行関連 銘柄も安い。
一方、アイルランドの製薬会社シャイアーは4%上昇。
1株当たり52.48ポンドでの同社買収に米アブビーが合意した。
ストックス欧州600指数 は前日比0.1%未満下げた339.66で終了。
騰落比率は2対3。
前日はウクライナ政府が同国東部の上空でマレーシア航空機が親ロシア派に撃墜されたと発表。
これを受けて0.9%下げていた。
今週全体では0.8%上昇。
アッシュバートン(英ジャージー)の
投資マネジャー、ベロニカ・ペクラナー氏は電話インタビューで、
「人命が失われたことを考えると、ウクライナ情勢を落ち着かせるのは難しい」とし、
「対ロシア制裁の拡大が発表された翌日という最悪のタイミングで起きた事件だ。
投資家らがリスク回避に多少動くのは当然の反応だ」と発言。
「ボルボの利益が予想を下回るなど、企業業績もやや悪かった」と付け加えた。
18日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落。
英FTSE100指数は0.2%、
仏CAC40指数が0.4%それぞれ上げた一方、
独DAX指数は0.4%安となった。
原題:Most European Stocks Decline as Ukraine-Russia ConflictDeepens(抜粋)
◎欧州債:総じて上昇、仏債利回り過去最低-ウクライナ情勢で
今週の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて上昇。
18日はフランスやフィンランドなどの国債利回りが過去最低を付けた。前日にマレーシア航空機がウクライナ領空で撃墜されたことを背景に、ウクライナ情勢が深刻化するとの懸念が広がった。
これを受け、比較的安全とされる債券に投資する動きが強まった。
ポルトガル 国債は週ベースで、6月13日終了週以降初めての値上がり。
同国2位の銀行、エスピリト・サント銀行の株価は急落した。
ドイツ国債利回りは前日に過去最低を更新したが、同国債のパフォーマンスは域内の高利回り国債を下回った。
クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロンドン在勤)は「こうした環境下ではファンダメンタルズによる影響はそれほど大きくない」と指摘。「投資家は利回りによって少しでも高いリターンが得られる投資先を探している。ポルトガルで見られた通りだ」と付け加えた。
ロンドン時間午後5時現在、フランス10年債利回り は前週末比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.57%。
この日は1.562%まで下げ、ブルームバーグが1990年にデータ集計を開始して以降の最低を記録した。
同国債(表面利率1.75%、2024年11月償還)価格は101.66と、前週末を0.63上回った。
ドイツ10年債利回りは前週末比5bp低下の1.16%。
前日はこれまでの最低となる1.15%で引けた。
同年限のポルトガル国債利回り は今週20bp低下。
これは4月18日終了週以来の大幅低下。
原題:French Yields Fall to Records With Bunds’ on UkraineSafety Bid(抜粋)
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更新日時: 2014/07/19 06:48 JST