:欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎NY外為:ドルほぼ全面高、FRB議長が想定より早い利上げに言及
ニューヨーク外国為替市場のドルはほぼ全面高。
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言で、労働市場の改善が予想より速い場合、想定より早期に利上げを決定する可能性があると述べた。
朝方は6月の小売売上高の増加と7月のニューヨーク連銀製造業景況指数の上昇を受けて、ドルは対円で続伸した。
ポンドは対ドルでほぼ6年ぶりの高値。英インフレ率がエコノミスト予想を上回ったことが手がかり。
ドイツ銀行のG10為替戦略グローバル責任者、アラン・ラスキン氏(ニューヨーク在勤)は
「労働市場が予想より速いペースで改善を続ける可能性は結構高い」と指摘。
「想定よりも早期、かつ急速な引き締めの根拠になる」と述べた。
ニューヨーク時間午後5時現在、
ドルは対円で前日比0.1%高の1ドル=101円68銭。
前日は3日以来の大幅上昇となっていた。
対ユーロではこの日0.4%上昇の1ユーロ=1.3568ドル。
一時は6月18日以来の高値となる1.3562ドルを付けた。
円は対ユーロで0.2%上昇し1ユーロ=137円97銭。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は0.2%上昇の1008.96。6月25日以来の高水準となる1009.47まで上昇した。
ポンド高、イエレン議長
ポンドは対ドルで0.4%高。
英政府統計局(ONS)が15日発表した6月の消費者物価指数は前年同月比1.9%上昇。
インフレ率は5月の1.5%から上昇し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト35人の予想中央値(1.6%)も上回った。
ポンドは2008年10月以来
の高値となる1ポンド=1.7192ドルを付けた。
対ユーロでは1ユーロ=79.11ペンスと、12年9月6日以来の高値となった。
イエレン議長は証言で、「高レベルの金融政策緩和が引き続き適切だ」と言明。その上で、労働市場の改善が予想より速いペースで続いた場合は、利上げは「現在想定しているよりも早期に、そして速いペースで行われる公算が大きい」と指摘した。
議長は16日には下院金融サービス委員会で証言する。
USフォレックスのディーラー、レノン・スウィーティング氏
(サンフランシスコ在勤)は電話インタビューで、
「証言が始まるまでは、ドルにとっては下向きのリスクを予想していた」と述べ、
「ドルが堅調になっている理由としては、株式が現時点で売られていることを挙げたい」
と続けた。
ハト派一色、リスクオフ
インタラクティブ・ブローカーズ(コネティカット州グリニッチ)の
チーフマーケットアナリスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は電話インタビューで
イエレン議長の証言について、「冒頭からハト派一色だった」と述べた
一方で、バイオテクノロジー銘柄やソーシャルメディア銘柄、
小型株のバリュエーションの高さに関する報告書の一文を指摘した。
「議長は期待感を多少弱めているように見受けられ、市場は素早くリスクオフに転じ、
それがドルにはプラスになったようだ」と述べた。
米商務省が発表した6月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前月比0.2%増加した。
伸びはブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(0.6%増)を0.4ポイント下回った。
前月は0.5%増(速報0.3%増)に上方修正された。
ニューヨーク連銀が発表した7月の同地区の製造業景況指数は25.60と、前月の19.28から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は17だった。
原題:Dollar Gains Versus Major Peers on Yellen Comments; PoundSurges(抜粋)
◎米国株:S&P500種下落、FRBが一部株価の「伸長」を警戒
米株式市場ではS&P500種 株価指数が下落。金融機関の決算が予想より好調だったものの、米金融当局が一部のソーシャルメディアおよびバイオテクノロジーの株価のバリュエーションに懸念を示したことが嫌気された。
ダウ・インターネット総合指数は0.7%下落。
ナスダック・バイオテクノロジー指数 は2.3%下げた。
たばこメーカーのロリラードは大幅安。
同業レイノルズ・アメリカンはロリラードを債務も含め274億ドルで買収することで合意した。
一方でJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス・グループは上昇。
市場予想を上回る決算が好感された。
通常取引終了後に決算を発表したインテルは時間外取引で上昇している。
S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1973.28。
ダウ工業株30種平均は5.26ドル(0.1%未満)上昇し17060.68ドル。
小型株で構成するラッセル2000指数 は1%下げた。
ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズの
エリック・ティール最高投資責任者(CIO)は
「市場に強く影響してきた政策金利に変更の必要性が生じる可能性があることを踏まえ、
金融当局はバリュエーションに注意を払おうと考えている」と指摘。
「小型株はこれまでよりずっと金利に敏感になるだろう」と続けた。
小型株、インターネット株
強気相場で最高のパフォーマンスを示していた小型株やインターネット株は今年初めに大きく値下がりした。
バリュエーションの行き過ぎ懸念から大量に売られたためだ。
ラッセル2000は5月の安値から戻し、今月3日には過去最高値まで1ポイント以内に迫った。
ブルームバーグのデータによれば、S&P小型株600種指数 の株価収益率(PER、実績ベース)は26倍。
ナスダック・バイオテクノロジー指数では500倍を超えている。S&P500種のPERは18倍。
FRBはこの日議会に提出した金融政策報告書で、「一部セクターのバリュエーション指標は、
相当大きく高まっているようだ。
特にソーシャルメディアやバイオテクノロジー業界の中小企業では高くなっている。
こうした企業では今年早くに株価が著しく低迷したにもかかわらず、そうした傾向にある」と記された。
イエレン議長の議会証言
イエレンFRB議長は上院銀行委員会が15日開いた公聴会で、労働市場には
「著しいスラック(たるみ)」が依然見られ、インフレ率はなお当局の目標を下回っていることから、金融緩和を推し進める必要があるとの認識を示した。
また政策金利について、債券購入が終了した後も
「相当な期間」低水準で据え置かれる公算が大きいと指摘。
債券購入プログラムについては10月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を最後に終了する
可能性があると説明した。
S&P500種の業種別10指数 では6指数が下落。
ヘルスケア関連や生活必需品株の下げが目立った。
ダウ・インターネット総合指数は0.7%安。
同指数は5月8日の安値から15%戻し、年初来の下げを埋めていたが、先週は週間で3.2%下げた。
2013年は年間で54%上昇した。
ナスダック・バイオテクノロジー指数は2.3%安。先週は3.2%下げた。
ロリラードは10%安の60.17ドル。
レイノルズ・アメリカンは6.9%下げて58.84ドル。
金融株はこの日上昇。
S&P500種の金融株指数は0.7%高となった。
JPモルガンは3.5%高の58.27ドル。
ゴールドマンは1.3%上げて169.17ドル。
原題:S&P 500 Falls as Fed Valuation Concerns Overshadow BankEarnings(抜粋)
◎米国債:10年債利回りが6週間ぶり低水準、FRB議長の発言で
15日の米国債市場は、10年債利回り がほぼ6週間ぶりの低水準をつけた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は労働市場には
「著しいスラック(たるみ)」が依然見られ、金融緩和を推し進める必要があるとの認識を示した。
朝方発表された米小売売上高を手掛かりに米国債は一時下げた。
その後、イエレン議長が政策金利について、債券購入の終了後も
「相当な期間」低水準で据え置かれる公算が大きいと指摘すると、米国債相場は上昇した。
同議長は債券購入プログラムについて10月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を最後に終了する可能性があると説明した。
先物動向によると2015年9月までに政策金利が引き上げられる確率は75%となっている。
CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債トレーディング責任者、
トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は、
イエレン議長は「既存のスタンスを貫いた」と述べ、
「景気が弱まれば当局は緩和的になり、強まれば緩和を取り除く。同じ筋書きだ」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59分現在、
10年債利回りはほぼ変わらずの2.55%。
同年債(表面利率2.5%、2024年5月償還)価格は99 19/32。
7月10日には利回りは2.49%と、6月2日以来の低水準をつけた。
JPモルガン・チェースの調査によると、
前日までの1週間で米国債の投資家は価格が下落するとの見方を強めた。
調査では売り越し(ネットショー ト)は29ポイントと、前週の25ポイントから拡大した。
下落するとの見方は40%と前週の38%から拡大。
上昇を見込んだ投資家は11%と、前週の13%から減少した。
中立は49%で前週と変わらず。
イエレン議長の証言
イエレン議長は上院銀行委員会が15日開いた公聴会で、
「高レベルの金融政策緩和 が引き続き適切だ」と言明。
「経済は改善が続いているが、回復はまだ完全ではない」と続けた。
経済情勢については1-3月(第1四半期)のマイナス成長から持ち直したようだと
しながらも、動向を「注意深く見守る必要がある」と指摘。
ブルームバーグ・グローバル先進国ソブリン債指数 は年初から4.9%上昇、前年のマイナスを埋めた。ブルームバーグ・世界債券指数によると、米国債のリターンは年初から3.2%。
連邦政府の公的債務
米議会予算局(CBO)の長期財政見通し報告によると、国内総生産(GDP)に対する連邦政府の公的債務の比率は2039年に106%に上昇する見通し。
主に医療保障のコスト増が影響するという。今年は74%となっている。
米商務省が発表した6月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前月比0.2%増加した。
伸びはブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(0.6%増)を0.4ポイント下回った。
前月は0.5%増(速報0.3%増)に上方修正された。
原題:U.S. 10-Year Yields at 6-Week Low as Yellen Sees StimulusNeed(抜粋)
◎NY金:続落、3週間ぶり安値-FRB議長発言受けたドル上昇で
ニューヨーク金先物相場は続落。3週間ぶりの安値となった。
ドルの上昇を背景に、代替投資の金買いが減退した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は議会証言で労働市場の「著しいスラック(たるみ)」を強調する一方、経済は堅調な軌道にあるとの認識を示した。
商品ブローカー、インフィニティ・トレーディング(インディアナポリス)のフェイン・シェーファー社長は電話インタビューで、「FRB議長の発言は明らかにドル上昇と金売りの要因になっている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比0.7%安の
1オンス=1297.10ドルで終了。
一時は1292.60ドルと6月19日以来の安値をつけた。
原題:Gold Falls to Three-Week Low as Dollar Gains on YellenComments(抜粋)
◎NY原油:下落、100ドル割れ-供給不安が後退
ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は下落し、1バレル当たり100ドルを割り込んだ。
リビアの増産見通しで供給不安が和らいだ。
イラクの戦闘は原油輸出に影響していない。
エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル
(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は
「リビアの生産急増を市場が消化するのは大変かもしれない」と指摘。
「市場の心配は非常に短い時間のうちに、供給不足から供給過剰へと変化した」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は前日比95セント(0.94%)安の1バレル=99.96ドルで終了。
終値ベースで5月6日以来の安値。
原題:WTI Crude Falls Below $100 as Supply Fears Abate; BrentTumbles(抜粋)
◎欧州株:下落、テクノロジー株など安い-FRB議長議会証言も注目
15日の欧州株式 相場は下落。
指標のストックス欧州600指数は過去8営業日で6日目の値下がりとなった。
テクノロジーや消費財関連の銘柄の下げが目立った。
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言内容を見極めようとする動きもあった。
ドイツのソフトウエアAG は19%急落。
第2四半期決算が減益となったことが売り材料。
英たばこ会社インペリアル・タバコ・グループは3.7%下げた。
ポルトガルのエスピリト・サント銀行は少なくとも1993年以来の安値まで売り込まれた。
グループ企業の1社の短期債務はこの日に期限を迎える。一方、フランスの自動車メーカー、
プジョーシトロエン(PSA)は3.2%上昇した。
ストックス欧州600指数 は前日比0.4%安の338.42で終了。
前日は0.9%上昇していた。
クレアインベスト(ジュネーブ)の共同創業者で
ファンドマネジャーのイオンマーク・バラフ氏は電子メールで
「イエレン議長が市場をびっくりさせたようだ」とし、この日発表されたニューヨーク連銀景況感指数が「力強い内容だったことを考慮すると、議長の証言内容はあまりにハト派的で、米当局は後手に回っているかもしれない」と語った。
イエレン議長は上院銀行委員会が15日開いた公聴会で、米労働市場には
「著しいスラック(たるみ)」が依然見られ、インフレ率はなお当局の目標を下回っていることから、金融緩和を推し進める必要があるとの認識を示した。
また、政策金利について、債券購入が終了した後も「相当な期間」低水準で据え置かれる公算が大きいと述べた。債券購入プログラムは10月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を最後に終了する可能性があるとも説明した。
15日の西欧市場では18カ国中14カ国で主要株価指数が下落。
スペインとイタリア、ポルトガル指数が大きく下げた。
仏CAC40指数は1%安、独DAX指数は0.7%、
英FTSE100指数は0.5%それぞれ下げた。
原題:European Stocks Decline as Software AG, Espirito SantoRetreat(抜粋)
◎欧州債:スペインとイタリア債が上昇、ECB低利融資めぐる観測で
15日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が上昇。欧州中央銀行(ECB)が新たな長期オペで供給する資金を銀行が高利回り債に投資することは防げないとの見方が広がった。
ECBは最大1兆ユーロに上る可能性のある長期リファイナンスオペ(TLTRO)を通じた資金について、銀行は企業・家計向け融資に回す必要があると強調。
銀行がソブリン債投資を積み増し周辺国債を一段と押し上げる状況を防ごうとしている。
ドラギ総裁は14日の議会証言で、2011年に前回の長期資金供給措置を開始した際に比べ、いわゆるキャリー取引の収益性は小さいと指摘した。
コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏は
「ECBが意図していることではないが、現時点でTLTROは銀行にとって魅力的な資金調達方法のようだ」とし、
「キャリー取引を防ぐのは極めて難しいだろう」と語った。
ロンドン時間午後4時18分現在、
スペイン10年債 利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.72%。
先月10日には2.542%と、過去最低を付けた。
同国債(表面利率3.8%、2024年4月償還)価格はこの日、0.50上げ109.19。
同年限のイタリア国債利回りは2bp低下し2.85%となった。
ドイツ10年債利回りは前日からほぼ変わらずの1.21%。
先週は1.17%まで下げ、昨年5月以来の低水準となっていた。
同国の欧州経済研究センター(ZEW)がこの日発表した7月の独景況感指数は、エコノミスト予想以上に落ち込んだ。
これを受けてユーロ圏の政策金利が低水準にとどまるとの見方が強まり、ドイツ国債を下支えした。
原題:Spanish Bonds’ Gain Seen Pointing to Defiance of Draghi onLoans(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:
ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net
;ニューヨーク 森 茂生 +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net
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更新日時: 2014/07/16 06:58 JST