高知県庁の「職場ドック」 模様替え・席替えで効率アップ | 人生の水先案内人

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2012.12.16 14:01

 

職場の席替えや資料の整理整頓でコミュニケーションが活発になり、仕事効率がアップ-。


高知県庁(高知市)が年に1度、全庁挙げて職場環境の改善に取り組んでいる。その名も「職場ドック」。


会議改革やテニス大会開催など職場のストレスを軽減するさまざまな取り組みも実施。


昨年度は228件の改善例が報告され、8割の職員が「良かった」と評価。


人事院や北海道庁などから問い合わせが相次ぐなど注目されている。(横山由紀子)

 

意思疎通スムーズ

「職場ドック」は、高知県総務部職員厚生課の産業医、杉原由紀さんらが企画。


職場でのストレス軽減には、メンタルヘルス研修などで個々人に対応するだけでなく、組織全体にアプローチする必要がある、と考案された。


「人間ドックを受けて健康管理を行うように、毎年、自分たちの職場をみんなで点検して、ストレスをなくし、働きやすい環境へと改善してほしい」と杉原さん。

 

平成22年度に2つの職場で実験的にモデル事業を行い、23年度に全職場へと拡大させた。


 

「職場ドック」実施の手順はまず、年度始めの春に各職場でリーダーを選出、「情報の共有化」「執務内環境の整備」など6種類あるチェックリストを基に職員たちと確認作業を行い、優先的に取り組む内容を洗い出す。


夏から秋にかけて実際に改善に取り組み、改善例を報告。優れた職場ドックを行った職場が表彰される。


それらを改善事例集として冊子にまとめ、参考資料として各職場に配布している。


 昨年度の大賞は総務部統計課。


部屋の出入り口にあった書架が職場全体の見通しを悪くしており、車椅子の職員が通りにくそうだった。


「地震で倒れたら危ない」との危機感もあり、昨年8月、書架を壁側に移動、隣接する書架と専用金具で連結固定した。

 

さらに、壁側の段ボールや資料、備品などを片付け、来客対応のテーブルを配置。


それぞれの机の上に置かれていた2段の書棚も1段に減らしたことで、向かい合わせに座る職員の顔が見え、意思疎通がスムーズになったという。

 

同課長補佐の隅田孝雄さんは「不便だと感じていてもなかなか取り組めなかったレイアウトの変更など、思いきって取り組むことができました。


仕事の効率も上がりました」と話す。


 

メンタルヘルス

土木部幡多土木事務所土佐清水事務所(高知県土佐清水市)では、道路担当の2班の席が2つの島に分かれていた。


「互いの業務を把握しきれていない」との声があり、2班の職員の机を向かい合わせた配置に変更し、これまで一番端にあった入庁2年目の若手技師の席を先輩たちの真ん中にした。

 

リーダーを務めた主査の森田仁さんは「若手を交えて話し合う機会が増え、人材育成の意味でも有意義です」と話す。


 職場ドックは、模様替えや席替えなどの環境改善にとどまらない。


ノー残業デーを利用したテニスで、職員のコミュニケーションを促進したり、会議の前にポイントや所要時間を宣言し、効率化を図ったり。

 

杉原さんは「ちょっとしたアイデアと工夫を出し合い、できることから取り組んでいくことが大切。


ストレスが少なく、働きやすい、やりがいのある職場になることでメンタルヘルス対策にもつながる」。

 

公益財団法人・労働科学研究所の吉川徹副所長は「職場ドックというネーミングも面白く、職場のみんなが討議して無理のない所から取り組む点が評価できる。


国際的に見ても新しいメンタルヘルス対策の取り組みだ」と話している。