12月28日(ブルームバーグ):
米ゴールドマン・サックス・グループは、2013年に向けての日本株投資で強気のスタンスを取っている。
政権交代に伴い、ポートフォリオの構築では、輸出関連や金融、一部素材株などへ運用資金をシフトさせた。
安倍晋三内閣が掲げる財政出動や円高・デフレ脱却のための金融緩和方針は「いまやらなければならない処方箋。
危機意識を持って対応している」。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント の伊藤浩之株式運用部長は
26日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューでこう述べ、
発足したばかりの安倍新政権を評価した。
同社は10-11月にかけて、電機や機械など為替感応度の高い輸出関連株、銀行や証券など金融株、鉄鋼や化学といった一部素材株、電力株を引き上げた半面、小売りやサービスなど内需の安定成長株のウエートを引き下げた。
このうち銀行や証券については、ファンダメンタルズが良くなっているという。
伊藤氏は、円高が
①輸出の落ち込み
②国内拠点の資産への悪影響
③海外資産の目減り-によって日本の産業を収益・資産両面で痛めつける「負のスパイラル」状態にあったと指摘。
しかし、政府・日本銀行の金融緩和姿勢や企業の海外M&A(合併・買収)積極化、海外情勢の落ち着きが重なり、「リーマン後の円高トレンドは終わったのではないか」と予想する。
日経平均想定レンジは9000円-1万2000円
日本株は足元で急激な戻りを示したことで「短期的には日経平均1万円を挟んでボックストレンドに入るだろう」と伊藤氏はみている。
ただ、株価下落による買い機会を望んでいる投資家が多いとし、大きな下落のリスクは小さいとも分析。
来年の下値については9000円程度と想定する。
一方、来年は4月で任期満了となる日銀総裁の後任人事や夏の参院選という2大イベントを控えている上、
「円安による企業収益・資産の改善という正のスパイラル入りから、日経平均は1万2000円まで上昇する可能性がある」と語る。
海外の投資家は日本株を依然としてアンダーウエートしているとみる伊藤氏は、為替が円安になればいったんニュートラルに戻すだろうと予想。
その後に海外勢がオーバーウエートへと転じるかどうかは、「規制緩和など中長期の成長戦略によって新しいビジネスや産業を作っていくことが鍵になる」と言う。
過去1カ月成績は同種ファンドの86%を上回る
ブルームバーグ・データによると、日本ベースの同社の中で最も大きい日本株ファンドの一つで、伊藤氏が運用する「牛若丸(自動けいぞく) 」の過去1カ月のパフォーマンスはプラス11%。
同様のファンド全体の86%を上回る成績となっている。
業種アロケーション上位は、銀行、自動車製造、流通・卸売業、電気機器、電気部品・電気機械などとなっている。
ことしの大納会となった28日の東京株式市場は4連騰し、日経平均の終値は
1万395円と連日で年初来高値を更新した。
外国為替市場で円が主要通貨に対して全面安となった上、来年への新政権の政策期待が継続したことが要因。
業種別では輸送用機器や電機などの輸出関連、証券・商品先物取引や銀行といった金融株の上げが目立った。
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更新日時: 2012/12/28 16:12 JST