フランチャイズの今を語る(2-1) | 人生の水先案内人

人生の水先案内人

全国の倒産情報をいち早くお伝えします。

2012.11.24 05:00

 

■顧客目線で必要なサービスを提供

フランチャイズ(FC)産業界が注目を集めている。現代日本に必要な起業スピリットを形にする場として、さまざまな利点を備えているからだ。


しかし、だからといって誰でも簡単に成功できる、というわけではもちろんない。


サーティワンアイスクリームなどのフランチャイジー(FC加盟企業)として成功を手にしたイッツ・コーポレーションの小池則雄オーナー、ITTO個別指導学院などの個別学習塾や介護事業をてがけるイー・ホールディングスの安倍康一、矢野雅己両代表取締役、FCビジネス専門誌「フランジャ」の波多野陽子編集長が語り合った。

                  ◇

 ≪参加者≫

 イッツ・コーポレーションオーナー  小池則雄氏

 イー・ホールディングス代表取締役  安倍康一氏

                   矢野雅己氏

 トーチ出版「FRANJA」編集長  波多野陽子氏

                  ◇

 波多野 フランチャイズ(FC)産業界全体の末端売上高は約21兆6000億円、総店舗数で約23万9000店もある巨大マーケットになりました。


成長が続くFC産業界でサーティワンアイスクリーム、ITTO個別指導学院でナンバーワンオーナーのお2人は、何が成長要因だと思われますか。

 

◆素人でも参入可能

小池 FCが注目されている理由は、まず社会構造の変化だと思うんですよ。


最近ではパナソニック、シャープの大赤字が話題を呼んでいますが、日本はこれまで製造業を中心に伸びてきた。


それが低価格の韓国、中国勢が伸びてきた。必然的に、日本の産業はサービス業にどんどん切り替わってきている。


あと半世紀で、日本の産業はサービス業8割で、製造業は1割を切るとみています。


そしてその8割のビジネスのモデルがFCなんですね。


日本の大手電機メーカーがつかまっているのが「コモディティ・トラップ」。


日用品の罠です。家電とかテレビとか、全部日用品になってしまったので、安く作れる中国にもはや日本は勝てない。


勝てるのはサービス業しかないはずなんです。


だからFCはこれから伸びる可能性がある。


安倍 小池さんのお話、その通りだと思うんですけど、われわれはあまりそういう難しいことを考えずに、「成功パッケージを見極めていけばいい」と思ってやってきました。


FCというのは、ビジネスの入り口として難しくなく、素人でもすぐにその世界に入っていける。


使いこなせる。FCの魅力とは、難しいことを知らなくてもいいことだと思うんです。


小池 同感ですね。


例えばおすし屋さん。こんなにいいネタだから1万円、といわれても、今は100円の回転すしがあって、味の差は価格ほどない。


差があるとすればサービスの差なんです。


だから職人芸ではなくて、客目線で、客が必要としているものを提供する。


それが、成功するFCです。


アメリカのFCビジネスを勉強していて、「ビジネスパッケージを買ってマネジメントをするのがFC」という言葉があったんです。


どういうことかというと、本部はビジネスパッケージを作り上げる。


それを地元密着の実力のある人(企業)が購入し、お客さんが喜ぶ商売を作り上げる。


その結果、本部とフランチャイジーがウィン・ウィンの関係をつくるということでした。


ところが日本では、FC本部とフランチャイジーとの関係が、本社サマが代理店に卸してやる、という構図。


これが日本のFCがなかなかうまくいかない理由だと僕は思っています。


矢野 僕たちは日本型のFCしか知らないし、難しいことを考えて加盟したわけでもない。


ただ、他の加盟企業よりもいい運営、いいオペレーションができているという自負はある。それがアメリカ型と何が違うのかなとはあまり考えたことがない。


小池 それがアメリカ型なんですよ。あなた方はオーナーだから。


さっき言った代理店制度は組織型なんです。


命令を出して、下に代理店があるというかたち。

 

◆日本型モデルの限界

波多野 日本型FCが100%悪いわけではなく、40年以上繁栄し続けているFCもある。


ただ「利は元にあり」的発想で不透明な利益構造のFC本部は成長に限界が来ると思う。


また、アメリカでFCといって一番にイメージされるのは、大手ホテルチェーンのヒルトンやマリオットだ。


日本だとFC=コンビニのはずで、その違いも大きいと思う。


コンビニは、「中小小売店の近代化」を掲げて酒屋さんなどにFC加盟してもらったのが始まりだが、出店競争の中で、本部が店舗を作って脱サラが加盟する運営受託みたいになっている。


小池さんがおっしゃっているイメージはそこだと感じます。


小池 その通り。


FC本部はブランド統一をして、予約を取ってあげて、よその国でも売ってあげる。これが完璧なFCですよ。


ビジネスアイ いいFC、よくないFCの見分け方は。


小池 人です、ほとんどが本部トップの人間性。共通の価値観や方向性や、夢を一緒に語れる人を探すべきです。


波多野 加えて、やっぱり本部の経営姿勢や情報公開度を事前に調べることも大事。


加盟店の支援力とか、店舗の収益性、すでに加盟店になっている人の本部への満足度といったところを、きちんと調べましょうと言いたい。

                  ◇

プロフィル】小池則雄

こいけ・のりお 東京農業大卒。

1973年東急土地開発入社。

79年に退職して喫茶店経営をはじめる。

91年、イッツ・コーポレーション株式会社を設立し、

「B-Rサーティワンアイスクリーム」や

「@タックルベリー」のフランチャイジーとして成功。

現在、神戸夙川学院大学の客員教授も務めている。

                  ◇

【プロフィル】安倍康一

あべ・こういち 名古屋工業大学大学院卒業後、

大手自動車メーカーに就職。

入社10年目に独立起業を決意し、

有限会社未来日記を設立。

フランチャイジーとしてデイサービス事業所「茶話本舗」や、

個別指導学習塾をてがける。

現在は矢野氏率いる株式会社シーカンパニーと事業併合し、

イー・ホールディングスグループを設立。