米大統領選はオバマ氏が再選:識者はこうみる | 人生の水先案内人

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[ニューヨーク/東京 7日 ロイター]  


オバマ 米大統領は7日早朝、6日に投開票が行われた大統領選挙で再選が確定したことを受けて、勝利演説を行った。


支持者を前に、国を前進させるためには妥協が必要、などと述べた。

オバマ 大統領再選に関する市場関係者の見方は以下の通り。


●「財政の崖」めぐり「グランドバーゲン」はない


<MFSインベストメント・マネジメントのロバート・マニング最高経営責任者(CEO)>


「財政の崖」問題で(民主・共和両党の間で)「グランドバーゲン」(大幅な妥協)があるとは思わない。


小幅な調整程度でプロセスは長引くだろう。


債券市場にとっては非常にリスクが高くなるとみている。


●金融業界は賭けに敗北、E・ウォーレン氏の当選に注目


<バークレイズ・ウエルス(ニューヨーク)のアーロン・ガーウィッツ最高投資責任者(CIO)>


今回の大統領選挙でウォールストリートは賭けに負けた。


選挙戦ではロムニー候補をはじめ共和党に多額の資金が金融業界から流れたが、それは金融サービスの規制緩和を望んでいたからだ。


今やロムニー氏は敗れ、業界の宿敵ともいえるエリザベス・ウォーレン氏が民主党 の上院議員として当選を果たした。


現行法で不動産関連の税務対策を考えている投資家はすぐに着手したほうがいい。


●「快勝」で株価には短期的にプラス


<立花証券 顧問 平野憲一氏>


オバマ 大統領が早い時間に「快勝」したことで、短期的には株価にプラスとみている。


オバマ大統領の再選を織り込んできたことから、外為市場で急激なドル安・円高が進むということもないだろう。


日経平均は200日移動平均線をいったん上抜ける可能性もある。ただし「財政の崖」問題が今後、マーケットを振り回す要因となりそうだ。


●議会のねじれ解消せず、財政問題で現実的な着地


<みずほインベスターズ証券 チーフマーケットエコノミスト 落合昂二氏>


米大統領選挙で、予想通りにオバマ 大統領が再選を果たしたことで、市場の不透明要因がなくなった。


東京市場はひとまず、選挙結果を消化した。


今後の焦点は財政の崖問題への対応に移る。


議会のねじれ現象が解消しなかったことで、オバマ 大統領は難しい政策運営を余儀なくされるだろうが、


同問題を放置すると米景気に深刻な影響を与えかねないだけに、支出削減を取り込みながら財政支出による現実的な着地を模索することになるのではないか。


●1期目はリーマン・ショックのリカバリー、2期目から本領発揮


<トヨタアセットマネジメント 投資戦略部 チーフストラテジスト 濱崎優氏>


当初からオバマ 氏優勢が伝えられていただけに、予想どおりの結果と言える。


マーケットの反応も米S&P総合500種先物が一段安と想定した動きを見せている。


ただ、ひととおり織り込まれれば、徐々に落ち着いていくのではないか。


今の米経済は自由化、規制撤廃、優勝劣敗という政策を軸に据える共和党のやり方に耐えられるとは思えない。


こうしたやり方が結果としてリーマン・ショックを招いた経緯もあり、1期目のオバマ 政権は2回もの大規模な財政出動を行って景気崩壊を防ぐといったことに追われ、リカバリーに精一杯だった。


2期目からは強いリーダーシップのもと、本領を発揮すると予想している。


ロムニー氏が勝利した場合と異なり、オバマ 氏だと現在の金融緩和路線が継続するとの安心感はある。


財政出動が封じられている状況下では、金融緩和が経済を下支えする。

金融緩和の恩恵から個人消費、住宅投資は好調だ。


「財政の崖」への対応はいずれは通過しなければならない問題。

旧議会では決められず、年明けの新議会に委ねられるとみている。

このため、この問題は若干、先送りされるというのがメーンシナリオだ。


●FRB金融政策への大きな影響ない


<SMBC日興証券 チーフ債券ストラテジスト 末澤豪謙氏>


オバマ 大統領再選、上院が民主党 、下院が共和党の過半数維持ということで、基本的にメーンシナリオに落ち着いた。

したがって、マーケットへの影響は限定的だろう。

また、大統領選挙を終えたことで、当面は不透明要因が払しょくされ、市場は安定化するのではないか。

今回の選挙結果を受けてリスクオフが進むとみていない。


今後は年末から年明けにかけて、財政の崖やシーリングの問題をどのように調整していくかということになる。


さらに景気動向、欧州のギリシャ、スペイン救済問題、中国の指導部交代後の財政・経済政策にターゲットが移るとみている。


財政の崖に関しては、議会がねじれ継続となり、昨年の夏同様に相当もめるとは思うが、昨年も超党派で妥協がはかられた経緯があるので、時間はかかると思うが、最終的には相当程度緩和される結果になるとみている。


金融政策については、現状の米連邦準備理事会(FRB)の政策への大きな影響はないだろう。

今回の選挙結果を受けた米国、日本の10年債は、米債に関しては年末にかけての景気動向、円債は政局がポイントになるとみている。


円債は0.7─1%を中心にしたレンジが年内は想定される。


米債の場合は、景気が回復傾向にあるので、金利にやや上昇圧力が加わりそうだ。


●リスク資産価格は上昇へ


<オムニベスト・グループの共同社長兼最高投資責任者、トム・ソワニック氏>


オバマ 大統領の勝利で、バーナンキ氏が引き続き連邦準備理事会(FRB)議長を務めるとみられるため、リスク資産が上昇するだろう。


今夜はドルが軟調で、量的緩和が続くとの見方が反映されている。


オバマ 大統領の勝利は、FRBが安定し、富の再配分に焦点があてられることを意味する。ドッド・フランク法(金融規制改革法)も維持されるだろう。


オバマ 勝利で、銀行に対する規制が強化され、銀行ビジネスと証券ビジネスが分離される可能性があることは誰でも知っている。


それは証券会社の追い風となる可能性はあるが、銀行にとってはいいことではない。


●株価の大きな要因にはならず


<ジャナス・キャピタル・グループの債券戦略担当グローバル責任者、コリーン・デンツラー氏>


過去数日間の市場の無風状態から判断して、市場は既にオバマ 大統領の勝利を織り込んでいる。従って上下どちらにも大きな動きは必ずしも予想されない。


企業が経営に関する決定を下し始めることができるといった安心感から来る相場の反騰を除き、株価が大きく上昇するとは見込んでいない。


市場を動かす大きな要因にはならないだろう。


●今後も規制強化は続き、ビジネスにはマイナス


<元ウェルズ・ファーゴCEOでロムニー氏の支持者、ディック・コヴァチェビック氏>


彼(オバマ 氏)は今後も規制を強化し、ビジネスを悪者扱いしたり、中傷したりするほか、多額の支出を行い、増税を実施したりし続けるだろう。


彼はそれが良いと考えており、政府が雇用を生み出し、民間セクターはそうではないなどと考えている。


過去4年間と同じことが続き、過去4年間と同じ結果を生み出すにすぎないのではないか。

われわれの経済は回復力があるため、オバマ 政権にもかかわらず、経済は過去4年間よりも良くなるだろうが、異なる政策をとれば実現できたであろうと思う結果に比べれば劣るのだろう。


●引き続きドル安圧力かかりやすい


<三井住友信託銀行 マーケット・ストラテジスト 瀬良礼子氏>


米連邦準備理事会(FRB)の金融政策がコンファームされるとの期待があるので、引き続きドル安圧力がかかりやすいだろう。


「財政の崖」をめぐる問題も、多少は妥協に向けて動いていくという期待はあるが、そう簡単に全てが解決するわけではなく、年末にかけてやはり緩和期待でドルには圧力がかかりやすいのではないか。


ドル/円は80.50円を瞬間超えたことがあったが、80円後半のところまでこれまで行かなかったことを考えると、この水準での上値の重さが確認されたとみていい。


「財政の崖」をめぐる議論と12月米連邦公開市場委員会(FOMC)とで、今後、ドルに対する警戒感が強まっていきそうだ。


●FRB議長の後任は金融緩和に専念へ


<リバーフロント・インベストメント・グループの最高投資責任者(CIO)、マイケル・ジョーンズ氏>


確実に、また疑いなく関心が向けられないことの1つは、(米連邦準備理事会議長の)バーナンキ氏の後任が誰であれ、バーナンキ氏と全く同じように金融緩和に専念するということ。


このため金本位制を信奉するジム・グラント氏やロン・ポール氏にはバーナンキ氏の任期終了時にチャンスは到来しないだろう。

これは市場にとって究極の安心材料となる。


オバマ 氏の勝利は「財政の崖」は議題に挙がり、金本位制は挙がらないことを示している。


市場は「どちらにせよ、財政の崖などそれほど恐れていなかった。


当面、バーナンキ氏がFRBにいれば素晴らしいことではないだろうか」と言うだろう。


●ねじれ継続なら格下げリスク


<野村証券 シニア・エコノミスト 吉本元氏>


総じて1期目の経済政策から変化に欠け、市場にはサプライズとならないだろう。

オバマ 氏は、ドッド・フランク法に基づく金融規制強化や高所得者増税を主張しており、むしろ市場でネガティブに受け止められる点に注意する必要がある。


議会選挙は、上下院で過半数の政党が異なる「ねじれ状態」が継続する公算である。

民主党 、共和党の両党が主張する政策の多くがいずれも実現しない可能性が高く、大統領の政策に対する市場の期待が後退するリスクに注意したい。


大統領選後の政策課題として財政の崖(フィスカル・クリフ)の回避が挙げられる。


具体的には2012年末に期限切れを迎えるブッシュ減税(所得税、インカムゲイン・キャピタルゲイン減税)である。


両党とも継続を主張しているが、減税継続に伴う代替財源をめぐっては、高所得者課税強化を主張する民主党 と、オバマ 大統領の医療保険改革の撤廃を主張する共和党で意見が隔たっている。


議会は大統領選後に再開するが、年内は会期が短く(11月13日から12月14日)、改選前の議員が召集される。


ねじれ状態で審議時間が限られるため、最終的には3カ月程度の暫定延長立法で財源を伴わずに減税を延長し、来年の新議会で財源とともに1年分の減税を審議する可能性が高い。


また、来年3月にも連邦債務の法定上限の引き上げが必要になるが、ここでも代替財源が問題になるだろう。


議会のねじれ状態や大統領と議会多数派の政党が異なる形でのねじれ状態になった場合、減税継続や上限の引き上げの議論が期限まで決定されなかったり、財源の議論が先送りされて格下げ問題が発生したりするリスクに注意したい。