2012.8.10 05:00
◆機能性で唯一A評価
今年4月、消費者庁が進めていた食品の機能性評価モデル事業で、EPAを含むn-3系脂肪酸が唯一A評価を得た。
昨年8月に開催された日本循環器学会学術集会では、血液中のEPA濃度の高さが心血管系疾患の発症リスクを抑えるとの発表があり、6月には国立がんセンターからEPAが肝臓がん発症リスクを抑えると報告された。
最近ではEPAの有効性について多くの発表が続いており、その効果の可能性が広がりを見せている。
食品の機能性評価モデル事業は、『「健康食品の表示に関する検討会」論点整理』(2010年8月公表)で、“消費者庁において早急に対応すべき方策の一つ”として、「新たな成分に係る保健の機能の表示を認める可能性について研究すべきだ」と指摘されていることを踏まえたもので、11年度事業として消費者庁が実施したものである。
今回対象となった11成分については、諸外国において機能性が公的に評価されていること、市場規模が大きく、一定の科学的根拠を有することが認められるものという選定基準で選ばれた10成分に、日本健康・栄養食品協会が選定した「ラクトフェリン」を加えた11成分が選定されている。
A評価というのは効果効能に対しての評価というよりも、さまざまな研究や実験による科学的な根拠がそろっているものという評価であるという。
n-3の脂肪酸については、多くの医学者たちが積み重ねてきた検証結果が認められた形になった。
◆適切な制度作り検討
特定保健食品においては、日本は大きく世界をリードしているが、サプリメントの機能性表示については対応が遅れているのが実情だという。
今回の11成分のA-C評価については、日本の機能性表示制度作りの基本となる可能性が高く、特にEPAを含むn-3系脂肪酸は、今後市場をリードする有望な成分と位置付けられそうだ。
日本では、いわゆる「健康食品」といわれるものの機能性表示は認められていない。
一方で、健康食品を利用する消費者からは、機能表示を望む声も多く、日本水産執行役員、ファインケミカル事業部長の関口洋一氏は「適切な機能表示を見据えた制度作りが検討されることを期待している」と語る。
今回の機能性評価モデル事業は、機能性の表示制度に向かう基礎資料作りとの位置付けもあり、結果を踏まえた今後の制度のありようの検討が待たれている。