2012.7.26 20:56
朝、冷凍庫から取り出して弁当箱に入れれば、お昼にちょうど食べ頃になる自然解凍の冷凍食品が人気だ。
景気低迷を背景に弁当を職場に持っていく人が増える中、夫や子供のために弁当をいくつも作る主婦にとっては、手間が掛からず便利。
電子レンジで解凍する必要がなく、節電になる点も注目されている。
時間を節約
イトーヨーカドー立場店(横浜市泉区)は4月、冷凍食品売り場に自然解凍のタイプだけをまとめたコーナーを設けた。
「以前は空揚げ、ハンバーグなど種類ごとに分けていたが、最近は自然解凍品へのお客の関心が高まり、大きく面を取って目立つようにした」と平山武典副店長は話す。
買いに来た近所の会社員の女性(39)は、よく買うエビのおかずのほか、今年の新商品も手に。
「夫と自分のお弁当は、ご飯を炊いて卵焼きを作るほかは全て自然解凍の冷食。
時間の節約になり、味もおいしいのでとても満足」
味の素冷凍食品(東京都中央区)の調査では、自然解凍タイプの魅力として「調理が簡単」以外に、「お弁当用に冷ます時間がかからない」「保冷剤代わりに使える」「節電になる」といった声が多い。
自然解凍の冷凍食品の市場規模は、平成24年3月期で約316億円と前期比40%近く増加。
マーケティング本部の稲垣英資商品開発グループ長は「もともと弁当のおかずに冷凍食品の需要は多かったが、昨年夏に節電で土日に工場を操業する動きが広がったことなどで、弁当を持参する人が増え、便利な自然解凍品が注目された」とみる。
同社は自然に解凍しても、べたべたしたり、ぼそぼそしたりしないよう独自の製法を開発。
今年は大人向けに、油で揚げずカロリーを抑えながら、さくっとしたフライの食感を出した新商品をはじめ、自然解凍の冷凍食品で11品目を展開する。
「将来、弁当のおかず向けの冷凍食品は全て自然解凍のタイプにしたい」(稲垣さん)という。
少量ずつ
日本水産(千代田区)も、冷凍食品の中で自然解凍品の好調が続いている。
15品目を扱い、「ひじきの煮つけ」や「きんぴらごぼう」といった和風の総菜を1食分ずつカップに入れたタイプが売れ筋だ。
家庭用食品部冷凍食品課の松下拓生課長は「和総菜はお父さんたちに人気があるが、弁当のおかずに作ると余ってしまう。
少量を2、3種類欲しいという声に応えた」と説明する。
同社の商品は、急速冷凍して野菜などの細胞を壊さず、解凍したときにシャキシャキとした歯応えがあるのが特徴。
「お父さんの弁当用の需要は確実に増えており、品目を拡大したい」(松下さん)考えだ。