英会話教室も多様化
職場で英語を使う会社が注目されている。
「英語を社内公用語にする」と公表した楽天、ユニクロをはじめ、ビジネスの海外展開や外国人の雇用拡大に合わせて日頃から英語を使おうという企業は増えているようだ。
一方、“使える英語”を学ぼうとしながらつまずく人も少なくない。
英語力を磨く場所のひとつ、英会話教室にも多様な展開が見え始めている。(川村達哉)
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国際コミュニケーション英語能力テスト、TOEICを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が平成23年1月、「上場企業における英語活用実態調査」を行った(有効回答数329社)。
業務での英語利用について聞くと、
「社内公用語が英語」0・6%、
「英語を使用する部署・部門がある」47・1%などとなり、
何らかの形で英語を業務で活用しているのは計84・5%と、多数を占めた。
半面、英語が苦手という人も多い。
東京都世田谷区に住む男性会社員(39)は、教室通いや教材学習をしたが挫折を3度経験した。
「必要になるスキルだと思って勉強したのですが、現在の業務や生活で使う機会はまずない。
投資している割に効果が上がらないのであきらめてしまいがちですが、今、再びチャレンジしています」
英会話教師としての経験から実践英語に関わる著作の多いエッセイスト、石橋眞知子さんは「英語圏には日常的にディスカッションやディベートをする環境がありますが、日本人の多くは慣れていない。
言葉を発するのをためらいますが、特にビジネス英語は自分の意見をどんどん伝えないと成立しません」と話す。
その対策として、「間違えを恐れない。完璧さを目指さない。ビジネスのどういう場面で使いたいのか、目標を設定する方がゴールへの道も近いです。
英会話教室を選ぶ場合、フリートーキングの時間が多くあるか…などが大切でしょう」と石橋さん。
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大手英会話学校では、ECC、Gaba(ガバ)、ベルリッツ、イーオンなどで、ビジネス、旅行、日常会話などさまざまなレッスンが行われている。
4月に開校したばかりのCOCO塾(ココジュク)は、2人の外国人講師と4~6人の受講者によるグループレッスンを主軸に掲げる。
「講師が指導を補い合い、講師同士の対話を受講生に聴かせることも大切です。
実践に近い対話重視で『英会話から英対話』をモットーにしています」と、同塾を運営するニチイ学館教育事業統括本部(東京)の平尾佳世子さんは話す。
東京、神奈川をはじめ、全国に18校(5月15日現在)あり、今年度中に全国展開を目指す。
「電子黒板を全校に導入予定。受講生が目線を上げたままレッスンに集中できます。
ビジネス英語の初級から上級まで実力に合った指導です。
また、医療機関で働きながら英語力を身に付けたい方々のコースも5月から一部スクールでスタートしました」
使える英語のニーズは多様化し、対応策もそろってきた。
後は自分に合った道を見つけて歩き続ければ、きっと「英語を使える自分」に出会えるだろう。
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38万人が受講
経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、
外国語会話教室は全国に3751事業所あり、講師は1万6人、
受講生は38万810人。
売上高の合計は61億7700万円。
この調査の対象は実際の7割程度という(今年2月時点)。