1月25日(ブルームバーグ):
ウクライナで金属製品販売会社を創業し財を成したビクトル・ピンチューク氏は、
所得の不均衡について話し合いたいと考えている。
通信サービス会社の会長でアイルランドの富豪、デニス・オブライエン氏やインドの富豪、ビカス・オベロイ氏も同様だ。
スイスのダボスで今週開かれる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会には2500人を超える政財界のリーダーが参加する予定だ。
ブルームバーグ・ニュースが入手した参加者リストと資料によると、この中には少なくとも70人の富豪がいる。
3人はその一部だ。
25日の会議開幕を前にインタビューした参加者の富豪6人は経済格差の問題が提起される必要があると指摘した。
時価総額でインド2位の不動産開発会社オベロイ・リアルティー の
オベロイ会長(42)は今月、
ムンバイの自家用車の中から携帯電話でインタビューに応じ、
「ダボスに集まる参加者の多くは、経済的不平等の問題で非難されている人々だ。
しゃれた雰囲気で盛大なパーティーを開催するだけではないことを望む」と述べた。
ダボス会議に初めて参加するオベロイ氏と同様の考えを持った富豪たちは、議題の中から所得の不均衡に関するテーマを見つけるのは難しいかもしれない。
WEFが今月出版した報告書「グローバルリスク2012年版」は世界が今後10年間に抱えるリスクの首位に「深刻な所得格差」を挙げている。
温暖化ガス排出の問題より上位で、財政の不均衡と同順位だ。しかし、130ページに及ぶダボス会議のプログラムの中で「不均衡」という言葉は一度しか登場せず、美術に関するパネル討論の議題の中で使われているにすぎない。
資本主義の再構築
WEF米国支部のケビン・スタインバーグ最高執行責任者(COO)によると、「包括的な成長と開発の確保」というテーマに関する一連のセッションの一部では所得の不均衡について触れる予定だ。
「資本主義の再構築」というテーマのパネル討論会も27日に予定されている。
昨年は貧富の格差の解消を求め、カイロやニューヨークなど世界各地で抗議行動が起こり、「ウォール街を占拠せよ」をスローガンとするデモは人口のわずか1%を占める富裕層をターゲットとした。
インド3位のソフトウエア輸出会社ウィプロ のアジム・プレムジ会長(66)らダボス会議の参加者の一部は、そのことに気付いていないわけではない。
同会長は10年12月に株式の名義を書き換え、20億ドル(現在のレートで約1600億円)相当を貧困層の教育を支援する財団に寄付した。
プレムジ会長は電子メールで
「この問題を無視するといかなる結果がもたらされるかを、われわれは昨年、目の当たりにした。
この点を認識し解決しようとしなければ、世界中で無秩序な混乱状態を生み出しかねない」との見解を示した。
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更新日時: 2012/01/25 11:54 JST