【新春に語る】三菱商事社長・小林健さん(61) | 人生の水先案内人

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小林健・三菱商事社長

海外の資源開発案件で主導権狙う


 

--昨年の原発事故後、液化天然ガス(LNG)の安定調達の重要性が高まっている

 「長年やってきたことが、やっとお役に立つと感じた。

震災の翌日からまず量の確保に乗り出した。

国の非常時であり、利益を追求しないことも含め安定供給の陣頭指揮をとり、それなりに貢献できたと思う」

 

--中期投資計画では半分を資源に投資する

 「天然ガスや石油開発では、ロシアでも豪州でも保有する権益はマイナーで、そこから配当を得ているのが実態だ。

今後は自ら経営にも主体的に関わり、開発から製造・販売まで一体的に手がけていく必要がある。

インドネシアのガス開発のように中規模でも主導権をとり、戦略パートナーの韓国ガス公社にも開発に参画してもらう。

運営ノウハウも積み上がるし、若手のやる気にもつながる。

ロシアの開発案件は大統領選を控えたプーチン首相の出方次第だが、サハリン3などが現実的だ」


 --インドネシアでインフラ基本計画作りに参画する

 「投資残高も多く、リスク回避をどうするか、ある程度分かっている国だ。

空港や港の整備計画だけでなく、官民のリスク分担の在り方も提案していきたい。


民間がとれるリスクを明確にした上で、国の役割や保険、融資をどう組み合わせるかを議論し、インフラ分野も運営主体として参加できる案件を発掘したい」


--次世代の収益の柱は

 「一昨年4月に地球環境事業開発部門を設置し、組織横断的に新事業に取り組んできた。

水事業や太陽光などの新エネルギー、IPP(卸電力事業)、リチウムイオン電池と種目は絞られてきた。

今後は通常の投資採算よりも長めの投資基準を設定し、営業部門に近い形にしていく次のステップが必要だ」


 --中国、インド、ブラジルで攻勢に転じたが

 「わが社の弱い地域だったが、中国は副社長をトップに据え人材も投入している。


中国最大の食料集団コフコと提携した。次の一手は食肉の飼料の産地、ブラジルだ。

集荷した大豆を購入する権利を取得し、中国向け飼料輸出と食肉加工をつなげ、最終的には小売りまで参入する。

このモデルを第三国で共同で展開する構想だ」

 

--人材育成は

 「まずは若手を外に出すことだ。

最近はビジネス書の読み過ぎのせいか『本社で経営企画がやりたい』。

新興国駐在の辞令を出せば『自分のキャリアにどういう意味があるのか』とたたみかけてくる。

だが、いったん外に出れば、アフリカでも頑張っているし、現地での評判も良い。

修業の効果が出てくると思う」(上原すみ子)

                   ◇

【プロフィル】小林健

 こばやし・けん 東大法卒。

1971年三菱商事入社。

2003年執行役員、プラントプロジェクト本部長、

常務・新産業金融事業グループCEOなどを経て、

10年6月から現職。

東京都出身。