「北のカナリアたち」

「冬薔薇(ふゆそうび)」などの

阪本順治監督が、

黒木華を主演に迎えて送る

青春時代劇

江戸時代末期、

厳しい現実に

くじけそうになりながらも

心を通わせることを

諦めない若者たちの姿を

墨絵のように

美しいモノクロ映像で描き出す。


 

 

 

 

主人公は、22歳のおきく(黒木華)

彼女は武家育ちでありながら、

現在は父と2人で

貧乏長屋に暮らし、

寺子屋で子どもたちに

読み書きを教えていた。

 

 

ある雨の日、

彼女は厠のひさしの下で

雨宿りをしていた

中次(寛一郎)と

矢亮(池松壮亮)と出会う。

 

時は江戸時代末期

もうすぐそこに、

明治維新という

激動が迫っているというのに、

街はどちらかというと

平和そのものだ。

そして平和で

暇を持て余しているからこそ

人は弱い者を不必要にいじめる。

 

 

だからおきくたちにとって

生きることはつらく

時々、悲しくてやるせない。

それでも懸命に

日々を送る3人は

次第に心を通わせていくが、

おきくはある事件に

巻き込まれてしまう――。

 

 

江戸の片隅で暮らす庶民たち。

生活のディテールを

匂い立つようにリアルな

描写でとらえ、

それにより“生のぬくもり”や

“日常の輝き”が

強調されていきます。

やがて胸にポッとともる

感動の灯は、

今作固有の優しい感覚でもあります

 



中次を寛一郎、

矢亮を池松壮亮が演じ、

佐藤浩市、眞木蔵人、

石橋蓮司が共演

 

第52回ロッテルダム国際映画祭の

ビッグスクリーン

コンペティション部門で

ワールドプレミアとして上映された

 

モノクロのなかに

突然カラーの画像があって

それがインパクトになっています。

どんな時代も弱いものが虐げられる

生き辛い世の中であっても

心だけは色あせぬように

前向きに生きていきたい

そう思わせる作品でした