「きみの鳥はうたえる」の
三宅唱監督が
「愛がなんだ」の
岸井ゆきのを主演に迎え、
耳が聞こえないボクサーの
実話をもとに描いた人間ドラマ。
元プロボクサー・小笠原恵子の
自伝「負けないで!」を原案に、
様々な感情の間で
揺れ動きながらも
ひたむきに生きる主人公と、
彼女に寄り添う人々の姿を
丁寧に描き出す。
生まれつきの聴覚障害で
両耳とも聞こえないケイコは、
再開発が進む下町の
小さなボクシングジムで
鍛錬を重ね、
プロボクサーとして
リングに立ち続ける。
嘘がつけず
愛想笑いも苦手な彼女には
悩みが尽きず、
言葉にできない思いが
心の中に溜まっていく。
ジムの会長宛てに
休会を願う手紙を綴るも、
出すことができない。
そんなある日、
ケイコはジムが閉鎖されることを
知る。
主人公ケイコを見守る
ジムの会長を三浦友和が演じる。
コロナ禍によって
人生の分岐点を迎えた人も
多いと思う。
感染予防のためとはいえ
誰がマスクをして生活する毎日を
想像したであろう
聴覚障害の方にとって
口元を隠すマスクは
コミュニケーションの障害となる
コロナ感染の温床と
なりうるという理由で
スポーツジムなど
不特定多数の人が集まる施設は
休館や閉鎖を余儀なくされた
主人公の通うボクシングジムも
他にも要因があったにしろ
コロナ禍が原因で
閉鎖をすることになった
何年後かにコロナ禍のことを知らない世代が
この映画を観たら
そんな要因を知らずに
鑑賞することになるかもしれない
岸井ゆきのさんは
プロボクサーに見えるような
ボクシングの技術だけでなく
聴覚障害者として
台詞を通さずに
気持ちや感情を表現することが
できるすごい女優さんだと
改めて感じました




