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音声感想






ベランダからの眺めが好きでこのマンションに決めた。


カーテンを全部開けて、毎日変わる空を眺めている。






そんな楽しみが、

マンションの工事により我慢することになった。



天気が良い日、

カーテンを開ければ太平洋の地平線の海の煌めきも

都会のビル群も


西に落ちていく太陽と

夏は西公園や楽天球場、自衛隊の花火も見える。


引きこもる私は空を見て家を眺めて

自分はどこにいて

夫とどの道を歩いたか?

ゴールドの会場はどのあたりか?を復習してる。


北や南、東と西が

このマンションに越してからわかるようになった。



そんな楽しみは数ヶ月お預け。


住民と工事する人のゴールはこのマンションで安全に暮らせることだから。



毎日開けていたリビングのカーテンは

朝9時になるとしめ、夕方工事が終わるとあけられる。


カーテン越しに見える空は

晴れているのか曇りなのか雨なのか、わからない。



工事の人がベランダのあちこち行き交い、

足場が組み立てられ

すっかり空は鉄格子のように覆われてしまった。




あんなに空を見ていたのに

今では翳った南の部屋が当たり前に、ご飯を食べている。




パアーっと日が差して、

今日は明るい気がする。と思ったら

カーテンが開いてる。



夫が、


昼休みだから。

とか、

今日は工事がないから。


と、カーテンを開けてくれてた。



12時から13時まで職人さんたちはお昼休憩。

土日はおやすみ。


それを夫はわかって

その時間ピッタリにカーテンを開けたり閉めたりしていたのだ。



わたしが、このマンションがいい、と言い

夫はすぐに手続きを始めた。


わたしが、母と暮らしたい、と話した時も、

仕事を手伝って欲しいと言った時も、

ハカハカして外出が怖いと話した時も


うん、わかった。

と言ってわたしが行きたい道をサポートしてくれた。


ここから眺める景色が好き。

と言ったから


夫は彩雲が出ると呼び

花火があると一緒にベランダへ出て

美しい朝日をカメラに収めてくれる。


工事中は

少しでも空が見えるよう

時間通りにカーテンを開けてくれている。



氷山の一角。

見えるものはほんの少し。

愛情や努力や知恵や工夫。


どれだけのことを知ってるのか?と思う。


夫のカーテンだって。

聞かなければ全く気づかなかったんだった。



わたしの腰痛に隠れて

夫の唇はヘルペスで膨らんで、しぼみカサブタになった。



夫の食べるカップラーメンを一口欲しいと言ったら

ヘルペスだからダメだよ。と言われて

ああ、そうだったって夫の体調に気がついた。


今日もあちこち隠れてる。

夫の思いやりと愛情。

見つけたら、口に出して大好きだと伝えたい♡


Meg.