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いづ帰ってくんだあ？
と、電話のたびに聞いてきた義母。
拗ねていた頃、
この言葉がプレッシャー。
夫の実家に帰らないと
叱られる、
嫁たるもの週1で顔を見せるべき。
嫁たるもの、どんな予定より実家の手伝いや都合を優先すべき。
それを守らないわたしは
ダメ人間。
と思っていたから。
実際、会津にいた頃は週末ごとに泊まりに行ったり
実家の行事を最優先してきたわたし。
仙台に越してからは、
盆、正月、春と秋のお彼岸と帰るようになり
いづ、帰ってくんだあ？
は、
顔が見たいよぉ
会いたいよぉ
大好きだよぉ
に変わっていき、
帰ってこなくていい。
にもなった。
え？帰らなくていいの？
と聞いたら
お母さんなあ、
めぐみちゃんたちが帰っでから
家さ着いたよ〜って連絡あるまで
なにがあったらどすべー
って
しんぺーでしんぺーで
生きでる心地しねぇ。
んだから、
雪の降る時は無理して帰ってくんなよぉ
義母は毎回私たちが帰るたびに
家に帰るまでの道中を心配して過ごしていたのだった。
そんな義母の気持ちが
わたしにもわかるようになったのは、
娘が巣立ち、東京に帰る日の、
着いたよ、と連絡をもらうまで。
遅延したり
地震で止まったりするたびに
夫が設定したスマホに新幹線の知らせが来ては
まだかまだか、と
無事の知らせを待つようになったから。
会津のことばで、
せづねぇ。
という。
心配でもどかしく
娘の健やかを願う時
あの時の義母と繋がる。
こうしてわたしも心配された、
義父母や
あの、愛情表現下手な両親にも、と。
父は、わたしが仙台から弘前までの道中を待ちきれずに
雪の中、庭を右往左往して待ち、
夜に着くと言ったのに
朝から部屋に暖房をかけ、
布団には電気毛布が強でセットされていた。
うざいな。なんて
あの頃のわたしは健康にうとく、
健やかで無事で平和であることより
見かけや評価に気を取られていた。
もう、帰ってこねくていい。
あれほど待ち侘びた帰省を、
しんぺしすぎで、せづねーがら、
帰ってくんな。
と言った義母のように
わたしも娘やゴールドメンバーに思う。
埼玉から車を運転してきたしょうこちゃんが、
帰り道事故に遭わないかと
切なくなりながら。
今日はゴールド8期の初顔合わせで
飛行機や新幹線にのるメンバーが
朝から高速道路を間違えたり
スマホを忘れて新幹線に乗り遅れたり。
今日のゴールは
無事に着くこと。
無事に帰ること。
宿泊組は
眠ること。
毎回、遠くから来ては帰る可愛い人に
どうか無事に、と祈っている。
Meg.