本日2記事目


小さい頃から母が大好きで、


自宅の美容院が終わる夕方に

母を待ち構えて、

一緒にスーパーに行くのが

1日の幸せな時間。


3人きょうだいの真ん中のわたしは三等分された母との時間が足りなくて

その時間だけはわたしが独占できる時間として楽しみにしていた。


スーパーは自宅の斜向かいにあり、

小さな店内は野菜売り場から魚,肉コーナーを周り

加工肉や乳製品、最後はお惣菜コーナーへと続いた。


一周すると

2周目はお菓子、粉、調味料などをみる。


近所の同級生のお母さんがレジで働いてるスーパー。

挨拶するのが恥ずかしくて

母の陰にかくれて、何も話さないわたし。



スーパーに行くほんの30分は、

今日あった出来事を延々聞いてもらう特別な時間であった。



母が大好きだったから、

わたしが美容院の仕事場に行くと

あっち行ってなさい,と言われるのが寂しかった。


お腹が痛くても

寂しくても

母はお客さんのもので

わたしは相手にしてもらえない。


夕方まで、最後のお客さんが終わり

母が髪の毛を片付けて、

店の鍵を閉めるまで


母はわたしだけの母ではなく

社会のものであった。

今だってわたしのものじゃなく

母は母のものだ。いや、神様のもの?宇宙の、、、笑笑



時々母は、わたしが具合が悪くなると

めぐみはオーバーなんだから、とお客さんに話してるのを聞いた。



キャベジン飲みなさい。と母は言うけれど

わたしは抱っこしてもらえたらきっと元気になれた。



あの時は悲しかったけど

今なら母のしたことはこう思える。


あの頃、近所の人がお客さんできて、

美容院で話すことは夫婦の話や相談や悩みや愚痴だったこと。


子どものわたしには聞かせたくない話がたくさんあった、と。



今、わたしが毎日相談を受けてるけれど、幼い娘がいたらやっぱり

違う部屋に行っててね。と離れさせる。




大人になり、母と同じ立場になることで


あの頃は気が付かなかった言動の意味や意図がわかる。


全ては愛情で。



みんなはいい子だよ

自分は猫だよ

泣いたってミルクしかくれない


CHARAのミルク,のこの歌詞は

聞いた瞬間

あの頃にタイムスリップする!


わたしも泣いたけどキャベジンしかもらえなかったな。と。笑笑




バカリズムさんが脚本のブラッシュアップライフというドラマは





主人公麻美が33歳で事故で亡くなり

亡くなったあと、また生まれ変わり、自分の人生をもう一度やり直していくのだけど


子ども時代の二回目を体験すると

33年の記憶を持つ幼稚園児の麻美は

あの頃は分からなかった大人の事情や出来事を理解するわけです。



で。


生まれ変わらなくとも

今世、50歳のわたしが母といて

あの頃はこうだったんだ!

と何度も新鮮な解釈をしていい。


父との記憶もしかり。



何度だって今の人生をやり直せる。


20歳の頃、

実家に帰るのはせいぜい年に2回か、三回で

母に会うのは死ぬまでに何回あるんだろうか?と思った。



わたしはまだまだ母と話したいことがある。と

ずっーと思っていた。


母に素直なわたしの、

もっとホンモノで関わりたいと思っていた。


わたしは母が思うよりいい子や頼り甲斐がある娘ではなくて

悩みがない明るいわたしでもなくて、


不安があるし、頼りたいし

アホだし、寂しがりやだし

甘えんぼだし、

変人だし、おこりんぼだと知ってほしかった。


これをせずに死ねるか,くらい強く思っていた。



母が病気になって、

もう生き絶えるとき、

わたしはホンモノとして接しようかな。と考えたとき、


え?じゃあ今からやればあ?

と自分にツッコミをいれた。



あの時から

来世じゃなく今とことん関わってる。



えふりこいだ娘から、

素直なわたしで。



今日は二人で散歩しようと計画していたけど

マンションの下を見下ろしたら

北側の道路は雪に覆われていた。


歩行器でソロリソロリと歩く母は断念。




あの頃、スーパーに母と行くのが楽しみだったわたしは

今も変わらず、母とそうしていたい。



自分をわかってほしかったわたしから、

母をもっと知りたい、と変わりながら。





今日の夕焼け


Meg.