本日3記事目












父は、離婚後

自宅をピカピカに磨き上げたり

出汁に凝った料理を作った。


家事も育児も仕事をする妻にまかせ

そのやり方が気に食わなくて年がら年中文句ばかり言ってきた父は


妻がいなくなったらそのすべてをやりたいようにやった。

家は業者のように磨かれたし

料理は料亭のように作りたかったのが父だった。



わたしは、

父は何も出来ない人なんだなと思ってきたけれど


なんでも出来るから、やりたい人だからこそ、

母に文句が出たのだと気がついた。



母は家事なんかする暇もないくらい忙しい

子供を3人抱えた美容師だったのに。



そして母は、家事が出来ない人だと思っていたけれど

結婚をやめ、妻業をやめ、仕事をやめたら、


黙々とシンクやヤカンを磨いたり

包丁を研いだり

こまめに台所を掃除したり

一日中片付けるのが好きな人であった。


料理も、父に文句を言われながら作るのは緊張するけど

自分のために好きなものを作るのが好き。


私から見える親の才能は

ふたりが離婚してからハッキリと輪郭を現した。


さて、わたしたち夫婦も、

会社員と専業主婦の役割の時とはまるで変わって


仕事人間で、ずっと外で働くのが好き、

家の中は嫌いなのかと思っていたら

家の中でも楽しむ才能があるのが夫だった。


妻のやることをサポートして

好きな時間にテレビをみて

車を運転する。

会社員時代、あれだけ毎日パチンコや飲みに行きたい人が

パッタリと行かなくなった。



食洗機。

これは夫の新しいおもちゃである。

テトリスのように食器を隙間なくいれ、洗い上がりを確かめて

また次やってみる。  


一日の終わりにカチャカチャと夫は遊ぶ。

自分の仕事を眺めて悦に入る時間。


私が置くと効率が悪い。


わたしが片付けるとカテゴリ分けがされていない。


夫は、結婚生活27年目にして

皿洗いと片付ける専門になる。


結婚当時、こんな日が来るとはお互い想像もしなかった。


母と生活することも、

私が仕事することも、

夫が会社をやめることも



どれも想定範囲外。



一緒に生きてるようで全く知らない他人と

ここにきてまた新しい自己紹介。


鎧を脱いで、好きと苦手を知り合って

まるで別の人と生きている。笑


家族はかたちを変えてシンプルになる。



父がカラクリを知って、今頃おどろいてるよ。



Meg.