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物件探し中
母は、どんな条件でも気にしない。
「どこでも天国💕」
と言う。
それは母が、
父から逃げて、初めて一人暮らしをしたアパートが
誰にも見つからないような隠れた場所にあり(わざわざそうした)
壁が薄く、外気と同じような気温の冬に
ストーブも布団もない古いアパートでも
床にダンボールを敷き、寝て
「こんなに安心して寝られることが幸せ。」
と、感じたからだという。
当時わたしは母が暮らす
何も無いアパートに
食器やら服やら本を送ったり
そこを訪ねた時に一緒に中古品の家電を一式買い揃えた。
泊まった日にはどんなにストーブをたいても
お風呂が寒すぎて凍え死ぬかと思った。
寒い中、土鍋やお椀を買いに行き
白菜や魚を入れて煮た。
美味しい💕
笑う母。話をする母。
母が、家の中で
家族でご飯を食べるときに、
笑って話す顔を何年も見てなかった、と気がついた。
不便極まりない暮らしも
冬、遠いスーパーにそりを引いていき、荷物はそりに荷物を乗せて帰ってきたり
自転車を買い、バスに乗り、見知らぬ街を探検した母。
好きな時間に出かけ
好きな時間に帰る。
お腹がすいたら外でラーメンを食べた。
それが幸せだったと言っていた母。
誰とも連絡を取らず(とることは禁止され)
わたしですら、母の情報を親戚にも一切明かせなかった。
(警察から言われる)
夫がいない、
何も拘束がない自由を謳歌して楽しんだ母。
底辺を68歳で体験した母は、
どんな暮らしでも
どんな場所でも大丈夫になった。
母が言う
お母さんはあのアパートでも楽しめたからね💕
どこに住んでも楽しいし幸せ。
そうだった。
わたしもパニック症になったばかりの頃
誰かに話したら嫌われると思いこみ、
家から1歩も出られずにいた底辺時代に
なんとかなる体験までしたからいまがある。
なんとかなる。と人間関係で楽観的なわたし。
物件探しもいよいよ、終盤で
母の、どうにかなるよ〜💕に今日も勇気もらったわたしなのでした。
Meg.