ツキイチ声サロン音声、
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一人でいると怖くなるのは
今に始まったことではない。


急に思い出したのが、

里帰り出産で実家に帰り
今か今かとお産が近づいていた日々。


一階の客間に寝ていた私が


夜中にこむら返りで足がつり、

または
古い網戸の隙間から入り込んだ虫が腕に触ったり

仰向けになっていつもより大きく心臓の音がしてる時、

お腹が張って胸苦しい時。





2階で寝ている両親を呼びたいけれど
今更甘えることが恥ずかしくて我慢してたこと。


夜が明けて辺りが明るくなり始めるまで
無事に出産ができるのか
不安で不安でたまらなかった。



夜中に父が口笛を吹いて階段を降り
裸足で長い廊下を渡りトイレに向かう時。


父や祖母や仕事にかかりっきりの母が、
スリッパをパタパタさせて
部屋の前を歩く時。

私はいつも安心してたんだ。



中学生の時、
トイレの目の前が私の部屋で
トイレの戸を閉めずに用を足す父の音が不潔で汚くて
気持ち悪かった。



。。。




俺の家の話。


ドラマの中で、車椅子を華麗に操り
下の世話をしてもらう西田敏行さんが父と重なる。

西田さん演じる人間国宝のじゅじゅが、


久しぶりに介護のために帰ってきた長男に風呂に入れてもらう。


今まで親父の話を聞いてきた。
今度は俺の話を聞かせてやる。



クソジジイ!


子どもたちはこぞってこういう。


クソジジイ!!!






能の動きに厳しかった父親は
今や動かぬ年寄りで
野菜の名前もうまくでてこない。


。。。。。





父に、


お父さんトイレの戸しめてよ!!!

と言ったら


おとさんは閉所恐怖症だから
閉めるのが嫌なんだ!と返って来た。




いつも強い父が
閉所恐怖症だから、と
トイレは開けっ放しでする。




私をいつも勇気づけるのは
親が弱いところを見せてくれた記憶の断片。





人間国宝の"じゅじゅ"は、
車椅子に乗りながら
これからは死ぬまで好きなように生きてやる!と叫び、

子どもたちにわがままを言って
車椅子でどこへでも行く。

元カノに会いに行ったり
家族総出でハプニングだらけの旅。


あと一年の寿命。



みんながそんなお父さんが
楽しむことに一致団結してる。



そうそう。
"私の家の話"もこんなドタバタ劇場が楽しい。




父が夜中に口笛を吹きながらトイレに行き
ジョボジョボと音を立て、

わたしはクソジジイ!と悪態ついて

今や右半身麻痺で歩けない父は
介助されながら車椅子をあやつり、トイレに行く。

麻痺の体で
わたしに彼女の話をしたり
家を買う話を、
未来の話をする。



ドラマの中の家族の話が
よく私の家族とシンクロして

賑やかでごちゃごちゃして
面倒でやっかいで
ドタバタしてることが愛おしい。



(最近は澪つくしのワンマンで頑固、正論を話す父親、津川雅彦さんが父によく似てるなあと思う)



ところかしこに愛情と笑いがあるクドカンの作品に毎週しびれている。




Meg.