アンタ。
料理なんて、結婚したら嫌でも毎日するんだから、

若いうちは料理なんかしないで
好きなことやんなさい。



10代の頃
母から言われてきたのは
料理より、好きな事を。
と、
女は絶対手に職をつけなさい。
男の人になんて頼られないんだから。

である。




23歳で夫と結婚して
初めて料理をしてみたけど、

作ってみたら
母と違ってわたしは料理もアートであった。


なんだ。
めちゃくちゃ楽しい。





料理は、母からではなく
義母から教わった。

山の料理。




畑でとれた野菜の煮物、
川で義父がとってくる鮎の塩焼きの、塩の付け方、
近所からもらう山のキノコのごはん、
粉から作る団子
郷土料理


お客さんがくると、
お茶もお酒も食事も出すのが義母流。


そこの地域ではそれが当たり前で


コーヒーすらセルフサービス式だったわたしの実家と何もかもが違っていた。



料理は、相手とのコミュニケーションであり、
土地の恵みであり
繋がりだった。




義母から受け継いでわたしらしくなった味を

青森に帰省するたびに
父や母に振る舞うのが好きだった。


オメは結婚したら変わったなあ、と父がいい、

それはわたしが幸せであることをいつも意味してた。





わたしは毎日夢を叶える。


あと何回娘に喜んで欲しくて
朝早起きして朝ごはん作れるかな。


今日は母が好きなカボチャを。

今日は娘が好きなトマトスープを。


今日は夫が好きなカレーを。


わあ。と歓声があがる食卓で
いただきます、ごちそうさま、
を繰り返す幸福。



母は作る人から
作ってもらう人になり

婿にたよる女になり


ひょいと、守り続けたポリシーを捨てた。




ママ、
別れじゃなくて
距離が遠くなるだけ。


うん。そうだよね〜。


もうすぐ、待ちに待った歓喜なだけ。







ジュビリー

歓びとは誰が去る悲しみを
胸に抱きながらあふれた
一粒の雫なんだろう

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人はそれぞれのライフ
新しい場所探して

でも君とは
離れ離れ

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失ってしまったものは
いつの間にか地図になって
新しい場所へ誘ってゆく

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くるり
Jubilee




最近この曲の感覚がわかる気がする。


Meg.