ずっと憧れていた生活を今してる。


食事の準備をして
家族で食べて

朝は花に水をやり
やれまだ芽が出ない
この子は元気だ
虫がついてる

なんて言いながら
朝日を浴びる。


ラジオ体操もやり始めたら
皆と毎日続いてる。


台所のシンクに
家族分の茶碗が置かれ
味噌汁が中途半端に残されてる。


まだ油のついたフライパン。
片付ける前の
朝の忙しい風景。


洗濯機の終わる音や
母があとから洗うおしゃれ着洗い用の服。





こんなささやかな日常が送りたくて
ずっと望んできた暮らしを今してる。



さっき
ツキイチ声サロンでこの話をしたら驚かれた。



そうか。
そんなに人は普通に憧れを持たないのかもしれない。




サンドイッチ事件。
小学生の頃に
家族で父が好きなサンドイッチを作っていたら

父が急に怒り出して
作りかけのサンドイッチはバラバラになり
きょうだいが殴られた。


犬の散歩を忘れている、と。


わたしが望んだ
サンドイッチを家族で食べること。

このことは父の突然の怒りにより
殴られて家からいなくなったきょうだいを
探し歩くことに切り替わった。


なんで怒られたんだろう。
なんであんなに怒ってるんだろう。


夕方になり夜になり
サンドイッチを食べられないまま

わたしが家族を作ったら
安心して食事のできる世界を作る。と決めていた。



将来の夢は専業主婦。

それが幸せの象徴。
普通の家族に憧れて
普通の暮らしをしてみたいと恋焦がれてた。



破天荒に、
波乱万丈に興味がない。
もう十分、と思う。



23歳で結婚して
田舎のオバちゃんになりたくて
話し方から真似したら
そっくり憑依した。

あなた30代だよね?


10歳年上に間違えられた。



憧れた、強いオバちゃんに見えるのが嬉しかった。





結局あれこれしてきて、
強いも弱いもあるわたしでヨシ。としている。

背伸びせずとも
誰の真似でもないわたしで
まあ。いいか!となった。


破天荒に興味がないのは変わらず
日常が、
普通と言われるあれやこれやが
キラキラと輝いて見える。



家はどこも安全で
秩序が保たれ
夫は家族を守る。


夫と行く散歩の時間、
わたしは30分寝るね、と
夫の後のソファーでねて

起きたら1時間もねていたこと。


1時間後に起きたわたしに
さあ。行けますか?
と待っててくれる夕方に

サンドイッチ事件の不安な景色と重ねてる。
ああ。安心したかった。
してよかった。



対比で感じる
幸せなマジックアワー。





ただ
サンドイッチを食べたかった。
何も考えずに。

ただ
そのゴールを目指して
いたのかもしれない。






夫と食べたチーズウインナーパン!