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父が最近よく誰かの家に行って
仕事からまっすぐ帰ってこない。


父のあとをつけて
ある家に乗り込んだら
父はネグリジェ姿の年上の女性に膝枕されていたらしい。


こんなドラマティックなことが我が家ではたびたびおきた。



わたしはその話を聞いて驚いたのは
ネグリジェでも、
父には母以外に女性がいたことではなく


膝枕をされていた、
という甘えん坊という点だった。




父は母に求めても返されなかったものを
違う人で満たしていた、と
理解したのは
わたしが結婚してから。



家族の前で甘えずに
暴れる姿を見せて

知らない女性の前で
膝枕をされた父。



わたしにとって
父は男だし
母は女である。


二人はいつも家族というよりライバル
父、母というより

ライバルがいる家の中で
わたしは父親、母親らしい理想をずっと一方通行で持ち続けた。



お父さんには父性がないから諦めろ!

と言われたのが
わたしがカウンセリングを受けたあと。

今なら思う。

ただ正直に自己紹介しただけなのだ。




あの時は
父性がないイコール娘に愛情などない

と解釈して壮大に拗ねた。


そして父の父性は
働くことであり
こどもを行きたい学校に行かせることや
一人暮らしの資金を出すことや
帰省する新幹線代を出すこと。


父の得意なことや好きなことで
わたしに愛情をくれた。


わたしは
父に対して

大きな声を出さないでほしいといい、
命令しないでと言い、
叩かないで、と訴えた。

そして
できるわげねー!!と
叩く以外は却下され続けた。


わたしは叩かれなくても話を聞いています。

と丁寧に話したら
父は叩くのをやめた。




あれだけ
父は父のやり方にこだわり
わたしはわたしのやり方にこだわった。


そしてあれは元気な証拠であった。


今は菩薩となった穏やかな父は
わたしを一切否定せず

オメは大丈夫だよ。
という。

甘えなかった父は
メグに会いたい。
会いにきてちょんだいよ。
電話に出てちょんだいよ。
おとさんも大好きだよ。

と伝える。




人は一生で帳尻を合わす。と聞いたことがある。

暴れた父は穏やかになり、
語った父は語らなくなり、
甘えなかった父は甘える。


ここまで見せられて
ああ。全部出してるなあと
父から学んでることたち。

やっぱりわたしお父さんが好きだなあ。