家族の中でリーダーシップをとっていた父が

今日からお父さんは
仕事をやめる!

と言ったとき、

わたしは確か中学生だったと思う。



父が、
合わなかった会社を辞めて無職の時代があった。




当時わたしはそれがどんなことかわからず、

父の感情の起伏はさらに不安定だったし、
自律神経失調症にもなり
病院で点滴を受けたりしていたらしい。


新しいことをする前に起きた
一家の大問題?も
子供のわたしは理解してなかったけど

母や親戚や従兄弟から聞く
父の話は

非常識で
父として
男として
ダメ人間であるらしかった。


家の中で父は
怒ったり具合が悪いと訴えたり
母に文句を言い
寝たり起きたりして
テレビを見て
一見ぐうたらと過ごした。


わたしも父は
周りがそう言うようにダメな人間なんだと思ってた。


同居していた親戚の子が
父に叱られたときに
わたしにこっそり、
アンタのお父さんは働きもしないのに偉そうで最低だ。とも言った。




でね。
今ならわたし
あの時の父をどう見るかな?と思うんです。


世の中的には非常識で
誰にも理解されなかった父を

今までのことを捨てて
新しいことにトライしようと
自分のために
家族のためにどうしたらいいか
葛藤していただけの人、だと。



父は突然舵の切り方を変え
今までと真反対のことを言い、
母はだんまりして
わたしは混乱した。


ただ、父はわたしにはわからない道の先を進み

何年か後には
会社を作り人を雇い
軌道に乗せ
初めての道を進み続けた。

バカにされ続けたことは一蹴された。


目の前の人がそうなった時
困惑と混乱と

じゃあ
父が、ただ一所懸命生きる人間なら
どんな意味があるだろうと考えてもみる。


人生を真摯に生きる人として。


そしてやっぱり
真摯に誰もが生きている。
わたしと変わらぬ未熟さと好奇心で。




こちらも父の話。