母がずっと食べ続けている
お昼のトースト。


トーストは
マーガリンがたっぷり塗られたものから
バターに変わり、

今はマヨネーズを塗った上に
とけるチーズをのせて焼くチーズトースト。


そして
玉ねぎヨーグルト。



母は三日に一度作っては
毎日お昼に食べている。



アンタ、これ食べてみる?


母のを真似たチーズトーストを食べるわたしに
玉ねぎヨーグルトが差し出された。




食べてみたら不思議な味で
玉ねぎがシャキシャキして
苦味があり
オレンジは甘くて、スイーツのようなおかずのような面白い食べ物。



三日経ち、
またあの母の玉ねぎヨーグルトが食べたくなった。


母のオリジナルは
玉ねぎヨーグルトに
黒ごまアーモンドの粉末をかけて
フルーツをあえること。



こないだはオレンジ。
次はバナナ。
お気に入りはキウイ。



声サロンが終わって
一階に降りたら
夫と娘は眼科に行き
母は買い物へ出かけて
わたし一人だった。



母のチーズトーストと
玉ねぎヨーグルトにキウイをあえて

母のいつも座る椅子に座って食べた。





母の特等席に座り
母が毎日食べるお昼ご飯を
食べてたら

母から見える景色が
リビングを一望して

日の当たる部屋と
そこに揃う家族が見えるようだ。



母がいつも座る場所から
わたしの座る場所がよく見える。

わたしがスマホを凝視して何やら夢中になるのを
母は黙ってチーズトーストを食べながら見ていた。

わたしと夫が映画を見てるとき

娘とわたしがゴロゴロしてるとき


母はこの場所から幸福を見てる。





離婚後、
好きな時間に起きられること
好きな時間にご飯を食べられることが幸せだと言った母。


母の午後3時のお昼ご飯。
一人で食べるチーズトーストと玉ねぎヨーグルトは
幸福の証。


わたしも急に
母の幸福が伝わってきて
焼きすぎたトーストをかじりながら泣けてきた。


大人になってから
幸福で泣くことが多い。




いつだって人は
その人がいないときに思うことが1番愛おしい。

母がいない家で
母の椅子に座りながら
母のチーズトーストと玉ねぎヨーグルトを食べて

母はどこに行ったのかなあ。と思う。


声サロンをしているわたしを気遣い、
静かに玄関を閉め
何処かに行った母の愛情ばかり感じながら。


🌸プレミアムおうちスナックは全メニュー
満席になりました。
ありがとにゃん💕