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父は母が家を出たあと
自分も何故か家を出るといい、
亡き祖母の飼っていた犬が
どうなっても知らないといい、
親戚の皆んなに
今から自分は家を出て、
ホテルに行ってやる！
姿くらましてやる！！
と騒いで回った。
父の不可解な言動は
いつもわたしをハカハカさせた。
父を理解しようと時間を費やして
初めて父を
大丈夫。放っておこう。と思ったのが
40歳の時だ。
父はわたしのケータイに電話を毎日かけてきて
お前は敵か？味方か？と言ってみたり
お前はそれでも娘か？
と脅したり
もう許してくれと泣き声になったりした留守電を、
娘にバレないようマンションのエントランスで聞いた。
娘は親を助けるべき。
娘は親に従うべき。
娘は親が不仲の時に
間を取り持つべき。
娘は親の機嫌をとるべき。
娘は親が暴れた時には冷静に対処すべき。
娘は何があっても親の味方であるべき。
。
。
わたしの長年の思い込みと毎日闘った日々。
そして父は
何泊かホテルに泊まり
母が完全に帰らないとわかると
GPSで母の場所を特定しようとしたり
友人や姉妹の家を回ったりした。
父からすれば
ただいなくなった母を懸命に探す夫であり
わたしからしたら
何をするかわからない父が
恐怖だった。
父が何かするたび
わたしの思い込み通りにしたいわたしが出てきた。
父のように怒鳴る人が怖い。
突然何をしだすかわからなくて
胸がキュッとなる。
いつでも軽々と
犯罪を犯すイメージがある。
そんな父が、
長い調停の後、
やっと離婚に応じて
母は家を出てから約一年後に離婚が成立した。
わたしが思い込んでいた大丈夫じゃない父は、
一人で弁護士を立てずに
調停で堂々と意見を述べ、
文句ばかりだった料理を
出汁から取り始め
自分や兄妹のためにまめに手作りし、
カビキラーの匂いが残るまで
完璧に掃除をして
家を売り、お金に換え、
恋をして、
都会のマンションに越した。
わたしがしゃしゃりでなくとも
父は勝手に好きなように生き
父も自由に生きたではないか。
それから5年連絡を取らなかった。
今は穏やかな感情しか残さない菩薩。
あんなに父が怖かったわたしも
いま、父から電話が来れば
愛情を受け取る準備を一瞬でして、
今日も
心配され、
可愛がられ、
庇護される娘となる。
41年間思い込んできたことの
そうではないことを信じてみた時。
わたしは罵倒される娘から
愛される娘となれた。
父は自由で、
好きなことをして生きる男になった。
毎日わたしのような
かけらを持つ可愛い人たちに会う。
彼女たちも
かつて愛される自分を生き、
いつの間にか袋小路に入った
勘違いの塊で
わたしにあれこれと話す。
だから、
実際聞いてみて。と
問うてみてるのだ。
あなたは愛される人だもんね、と。
愛されているあなたとして
考えてみてごらん。と。
娘にさっき、
娘とはどうあるべきと思っているか聞いてみた。
①子供は親にどうしなければいけないと思っているか
→かんがえたことない
②親は子にどうしなければいけない
→助けてくれる
③女はどうしなければいけないか
→性別によってしなくちゃいけない事は無い
④21歳はどうしなければいけないか
→人による
笑笑笑笑
ちなみに夫に聞いたら
わからない。そうです。
スナックメンバーと話した後
彼女たちの世界が
面白いように変化してゆく。
わたしがかつてそうであったように。
今日も
わたしはどんな人間だろう？と
クイズのように考えてみる。
夫が
わたしがお腹をこわしたのは
プロテインを飲んでるからだ！
と、隣で騒ぐ声を
ああ。心配される可愛い妻だもんね、とうぬぼれながら。
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🌸おうちスナック感想🌸
