義母はよくわたしに昔話を教えてくれた。



血の繋がらない、祖母がいて
そのばあさんに、
とても大事にしてもらったんだよ。


という話が大好きだ。




毎日近くの神社に
ばあさんが自分と妹を連れて行き、

声を出していう。



この子たちの父親は亡くなったから

どうか、
どうか、
幸せに生きていけますように。





厳しい母に、よく怒られて
蔵に閉じ込められても、
ばあさんが戸を開けてくれたこと。




血が繋がらない後妻さんで
あれほど面倒見のいい人はいなかった。



自分が子供を産んだ後も
孫を抱き、おぶり、
一緒に寝て可愛がったこと。



ばあさんのおっぱいが大きくて
わたしの夫は
おっぱいを触り寝ていたこと。





めぐみちゃん。

お母さんの母親はね
未亡人になっちまって
男と同じく働いたんだよな。

んだがら、
お母さんは優しくしてもらったとか
大事にしてもらったとか
褒められだ記憶がねえけど



あの、ばあさんに
大事に大事にしてもらって
今まで生きてこれたんだよ。




めぐみちゃんに会わせたかったよ。


めぐみちゃんに会ったら

あのばあさん、
めぐみちゃんを
ものすごく可愛がったど思うよ。


めぐみちゃん大事にしたど思うよ。



あのばあさんに
会わせたがったなあ。







わたしはいつも昔話の最後に
つく、この会わせたかったなあ。

を何十回と聞いたのだ。




親からも
こんなにストレートに
言われたことがなかったから

最初は気恥ずかしく、
でもだんだんと
うぬぼれては

わたしも仲良くなる自信があるのだった。




ばあさんを、
仏間の写真でしか知らない。


だけど
ばあさんの話は
いつも温かく、
胸の奥がじん。となる。





わたしは娘に、
父や母に
夫に、

出会う人に義母の話を受け継ぎ、


こうして
あなたも大事にされる人だ、
と毎日毎日言い続ける。



それは最初気恥ずかしく
こそばゆい。


あなたに会えたなら
人はあなたを可愛がり
大事にしてしまうからね。


だってあなたは
可愛くて
大事にされる人だからね。

あなたに会わせたいね。

あなたは、
大事にされる人だからね。








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