絶縁状態の父に
5年ぶりに会った時


父は脳卒中病院に入院してた。



一人暮らしのマンションで
脳梗塞を起こし


四日間一人で
リビングから
玄関まで這って

四日後に
玄関から足だけ出した状態で


同じマンションの小学生に発見されて助かった。





父が倒れた状態でみつかった、と

青森の叔父から連絡があり


数日わたしは腰痛で動けなくなり
すぐには会いに行けず、


父にまた怒鳴られて否定されて
罵倒されることばかり考えた。


お前は親不孝、
お前はなんでそうなんだ、
もっとお父さんのことをちゃんと考えろ!

と  

父が激昂するイメージしか浮かばなかった。






病院へ行き
リハビリ中の父を見たら


愛情を思い出して


わたしが口走ったのは



お父さん
わたしに会いたかったでしょう?


でした。




父はうんうん、と頷いて
号泣して

わたしも


お父さんの大好きなメグが会いにきたよ〜💕


とハグハグ。






五年間連絡をとらずに
怖い妄想ばかりして
父を、
娘を憎む人に仕立て上げてきたのに、



わたしが、

父は
ほんとはわたしのことが大好きで
愛おしくてたまらない人だ、




わたしはずっと父から
不器用な愛情で
父なりの1000%で育ててもらえた娘。



と決めたら


一瞬で悪夢から目覚めた。


現実はただただシャイな父が
今まで口に出せずにいただけだ。





あれから2年。



愛される娘として父に会い


父はわたしが何か愛情言葉を言うたびに


んだ。んだ。その通り。
と言うようになった。





そしてわたしも
昔から父はずっとこうだったと
記憶を塗り替える。




父もドバドバ愛情表現をする。


オメさ、
元気を与えたくて与えたくて
どうしたらいいべと思って
電話した。



おとさんが電話すれば
オメ、元気さなるべと思ったからさ〜



オメのピアノまた聴かせてちょんだいよ〜


オメは独特の子で
なかなか面白い人間だと思ってだよ〜



オメの発想が
スゴイと思ってるよ〜




オメは健康。
おとさんも元気。


なも心配すな〜〜
大丈夫だ大丈夫だ







父はなかなか歩けないけど
リハビリを頑張っていることや

最近女友達に散歩に連れて行ってもらった話をして

わたしをまた驚かせた。




ねー!こんどは誰ちゃん?
メグはヤキモチ妬いちゃうなぁー!

と言ったら笑って

こんどゆっくりしかへるね!
(今度ゆっくり教える)

と話した。






どんな状態にいても

父はわたしの頼り甲斐のある父になる。  


家族の中でいつも
皆をひっぱり
時に強引でついていけなかった。



右半身麻痺になった父が
今もこうして
おとさんを頼り、
甘えてこい、と言ってくる。




父との電話で
どっぷり安心しながら
甘えきり

わたしも何が起きても
幸せだなあ、と思える。




父はまた
使い方を忘れたスマホで偶然電話を鳴らすかもしれない。


わたしがかけたら
奇跡的に電話にでるかもしれない。


一瞬一瞬全力で生きてる父からの突然のラブコール。

言葉を探すように話すようになった父は
いつだって
もう本音しか言わない。



おとさん
またメグが元気になるから
電話ちょんだいね


うん!わがった!!
まだかげるはんでな〜〜





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