一瞬、


母はわたしの背中について

何か否定や批判やクソバイスをしてくると

思いこむ、メンヘラ娘。




こないだはお尻について小競り合いしたばかり。












そして、

わたしにクソバイスしていた母は、

黒い服ばかり着ていた。




おしゃれで洋服にうるさい父に一切文句を言わせない服だ。







わたしが夜店に行く時に


短いキュロットをはいた日。



母はわたしの格好を


汚いものを見るように眺めて



「みっともない、ふしだらに見える。


男が見たら


パンツが見えそうな

あんたの足ばかり見るよ」




と忠告した。





そんなことを言う母をいやらしいと思った。



わたしは男子と言葉を交わすことすら恥ずかしかった。



みんながわたしの足を、
パンツを見るような気がして

恥ずかしくなった。







わたしは一瞬で



中学生になった。







あの時の母と


今の母は違う。





わたしが14歳の頃

母は41歳だったのだ。



41歳で父に負けまいとしてきた母の

黒い洋服ばかり着ていた母の


母も忘れてきた言葉たちを


わたしが記憶している。




今はただの言葉として。









母は、

あんたの背中が、あんたの背中が、、

と何回か言ったあと





わたしが



背中がなあに?と聞いたら










わたしの着てるTシャツ!


背中がミニーちゃん💕








背中がミニーちゃんだね。



と、


母は言いたかった。





もうわたしをバカにしたり


クソバイスしない母になってるのだ。







遠い昔に、

わたしが男子に騙されないか、

わたしが嫌な思いをしないか


先回りした母。






ともだちの男子からかかってきた電話に

長々と質問して


男子から、お前のお母さんから
しつこく住所とか部活とか聞かれたけどあれ何?


と言われて嫌だった。





年上の彼氏の写真を見て

ロリコンで気持ち悪いと言った母。





あんた騙されてんじゃない?




そう話し続けた母。






ああ、もう過去だった。


今の母は、


わたしがミニーちゃんのTシャツをきて


これかわいいねーと2人でお店で見たんだった。



わたしがきているのを見て

かわいいなあ💕と思う母なのだった。





秒で


昔へとタイムスリップして


秒で


今の母と生きる。




わたしと母の愛おしいヒストリー。







あの時嫌だった、と伝えた時


母は、

恥ずかしい。と言った。


お母さんどうかしてたよね、と。



なんでそんな言い方しかできなかったんだろう?

と。





これからも一日一日


母と築く幸せストーリー。




起伏が激しく、
愛情が巧みに隠されている
愛らしい物語。