YOKOHAMA VOX 1型糖尿病セミナー | 噺新聞(874shimbun)

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コロナ禍の時、医師から勧められ、リモートで患者の立場のセミナーを勧められ、参加したことがあった。

今回は、コロナ禍からも過ぎて、このようなセミナーがオープンで開催されるようになってきた。

主治医からのお誘いもあり、実際に会場へ足を運び、その会がどのような会なのか、行ってみなけりゃ、参加してみなけりゃ、それは分かりませんという気持ちで、横浜まで出かけてみました。

 

この会は患者さん同士の情報共有と連帯を目指しているという主旨で、セッション①では講演1で、9歳で1型糖尿病に罹患して33年インスリンの世話になっているという、医師、伊藤新先生だった。慶応病院で勤務し、今は埼玉・東浦和の医療法人明医研ハーモニークリニックの医師だ。

アメリカに勤務した時のアメリカの1型糖尿病の医療、薬剤の違いや、子供の頃福島で行われた1型糖尿病の子供たちのサマーキャンプのこと、一日に数回インスリンを投与するためできる、皮下硬結、インスリンボールのこと。これはインスリン注射を打つため、身体では、上腕、腹部、臀部、両腿のどこかに打つわけだが、打つ場所が固くなったり盛り上がってきてインスリンの効き目が落ちてきてしまう。こうなると、その場所では打たなく長時間休めることが必要になり、腹部から臀部に打つ場所をかえるなどする。自身も1型糖尿病の患者なので、患者自身の立場から1型糖尿病のことを語ることは、患者にとっての疑問や普段感じていることがわかりやすくこちらに伝わってくる。

 

講演2は「1型糖尿病になって考えたこと」M.Nさん。女性だ。

2型糖尿病から1型糖尿病になったのが、2022年6月。勤務先で、血糖値を測るため、穿刺で手の指から血を出し計測するわけだが、その血が書類に着いたりすることを避けるため、上司から手袋をすることを強要され、上司と戦えばよかったか、と今でもその悔しい思いが消えないという。

ひと通り講演後、おもむろに自分は落語が好きで、それを語りますと、芸名はサッカーとイタリアが好きなので「麹家蹴伊(こうじやけりー)演題は自作の改作落語、ぜんざい公社〜type1の場合〜、いやー、医学関連のセミナーに来て落語を聴けるとは思いませんでした。

 

セッション②グループディスカッションは、参加者がグループA〜グループOまで15のグループに分かれ、私はグループOで講師の先生と語るという班になった。ディスカッションでは参加者が講師である先生への質問として、海外へ行く時に起こったことの質問、CGM、身体につけたセンサーから常にデータをとることで血糖が変動する様子を〝見える化〟する仕組みで、空港の手荷物検査でそのセンサーを係員に何度説明してもなかなか分かってもらえなかったことや、インスリンそのものの説明をしなければならないこともあった。

ペンシルタイプのインスリンを自らの手で投与する他に、インスリンを自動的に体内に送り込むインスリンポンプという機材があるが、それらのことについてのディスカッションも行われた。

 

初めて参加したセミナーだったが、遠く、横浜まで出向いた労力に見返るだけの勉強にはなりました。