真打昇進披露興行 | 噺新聞(874shimbun)

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3月21日から二人の噺家、三遊亭わん丈、林家つる子の真打昇進披露興行が始まる。

林家つる子は先代三平の長男、林家正蔵の弟子で、11人抜き抜擢昇進とのこと。女性では初めての快挙。

写真は林家つる子公式サイトから拝借させていただきました

24年前に、柳家喬太郎、林家たい平が同時真打になりその真打昇進披露パーティーが帝国ホテルで行われた。そこに招待され出向いたのが初めての経験だったが、真打昇進披露興行に足を運んだことはなく、この機会、ぜひ行ってみたいとチケットをとりに出かけた。

 

3月21日から始まる鈴本演芸場の木戸に行き尋ねたところ、ここでは販売していなく、チケットぴあか落語協会で前売りチケットをお求めくださいとのことだった。

 

落語協会に電話をかけようと思ったがスマホを持ってきていなく、公衆電話を探してみようと上野駅内を歩き回ったが、今時電話なんて置いていないんですね。ない!

駅前の交番でこの辺に電話ボックスはないか尋ねたが、いやー、わからない、駅の中に電話があったような気もするが確かではない、と頼りない。

 

周辺を歩き回り、駅からずいぶん離れた寂しげなところに電話ボックスを発見!ボックスから電話するなんて、30数年ぶりかも。手持ちの10円玉は5枚と確認、落語協会へ電話をしました。チケットが取れる日、など尋ねるうち、電話は3分10円と思っていたら、10円が落ちる速度が速い、あっという間に最後の1枚になったので、協会の場所を尋ねたら、うさぎやの裏手、三階建てのビルだという。住所は台東区上野1-9-5。

どらやきで有名なうさぎやは何度か買いに来たことがあるので、分かる。ここからもすぐだ、近い。うさぎやは昔、黒門町と言われた場所。黒門町は先代の桂文楽が住んでいたところで、黒門町の師匠などと呼ばれていた。ひょっとしたら、文楽が亡くなり、住んでいたところが落語協会のビルかもと思いながら、落語協会のビルを見つけた。

3月21日からの鈴本のチケットは既にすべて完売。次の4月から始まる新宿末廣亭はチケットはあるが、チケットを持っていても、当日満席など入場者が多いと入れないことがあるという。じゃ次の浅草演芸ホール、4月12日、林家つる子がしょっぱなに出る日、このチケットを手に入れることができた。

「ここは昔、黒門町と言われたところですよね。つかぬことをお尋ねしますが、落語協会さんは、先代の桂文楽師匠が亡くなった後の住まいをビルにして、ということですか」

「いえ、文楽師匠の家はすぐ近くにあったと聞いています」

「違ったか」

それらしきそうな家を写真に納めてみたが、郵便受けを見ると角田なにがしとある。文楽の本名は並河益義、違うな。

チケットを買えたし、うさぎやでどらやきを手に入れ家路につく。

 

 

その辺で売っているどらやきの皮はカステラ風のが多いけど、うさぎやのはもっちりしていて、違うんだよな、生地そのものが。で、あんこも甘すぎず、上品な作りになっていて、美味い。

動き回った自分へのご褒美です。