私にとってのラグビー | 噺新聞(874shimbun)

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花園ラグビー場で全国高校ラグビー大会が開催された。

そして、1月5日、勝ち進んできた四校の準決勝が行われる。

九州対決になる、佐賀工vs東福岡と神奈川と大阪の同じ桐蔭対決、桐蔭学園vs大阪桐蔭。

この四校のうちてっぺんに上りきるのは?

2023.12.27付け毎日新聞東京本社版朝刊掲載紙面より

私の母校、遠軽高校が北北海道代表として出場する。今回の大会で11回目の出場になる。

 

57年前、もう半世紀を超える昔だ。テレビの学園ドラマ、夏木陽介が主演だった「青春とはなんだ」が放送され、このドラマはラグビーを通じて生徒たちと心の交流が展開されていくドラマだった。

遠軽高校に入学して、高校では生徒はなんらかのクラブ活動に所属しなければならなかったので、このドラマの影響もあり、ラグビー部に入部した。

 

最近放送が終わったテレビドラマ「下克上球児」、高校に入ってから野球を始めた部員など、試合になっても大差で負け続けるチーム。その部員たちが、コーチ、そして監督になった指導者のもと、紆余曲折がありながらも、強くなっていく。そして、夢だった甲子園大会出場を成し遂げる。

 

高校生、子供から大人へ向けての急激な成長期、竹の子が一日、一日で大きく伸びていくように、その成長は驚くほど早い。

 

ラグビー部へ入部して三か月、毎日、毎日の部活動、16歳、身長も160㎝程度、体重は50kg台、小柄だが、足はそこそこ早かったので、バックス、スクラムハーフのポジションの練習を始めていた。

しかし、夏休み、学校は休み、あるのは部活のみ、なんだか部活に行くのが億劫になってきて、そのうち足を向けなくなってしまった。二学期が始まり、上級生に呼び出され、ラグビー部、どうするんだ、と問われ、つい辞めますと答えてしまった。まぁ、挫折してしまったのね。

 

この遠軽高校、私が入部した時の三年生たちが、初めて花園大会に出場を成し遂げたのだ。それから連続三年間、花園大会への出場を果たした。

 

20代の後半だったか、会社の仲間がラグビーチームを作るというので、練習の後、ビールを飲むのもいいだろうとその仲間の誘いに乗り、参加するようになった。高校時代の三か月だけのラグビー部員だったが、身体が覚えているんですね、ちゃんとパスワークもでき、ボールをもって自在に走れるのですよ。このクラブチーム、上智大学のグランドを根城にして、東京芸大ラグビー部のOBの指導を受け、チーム名もビールを飲み合うことからビアーズ、のちに東京都のクラブチームに加盟するにあたり、同名のチームがあったので、ビアーズに全快を足して、ぜんかいビアーズと名乗っていた。ポジションは中年になって体重も増えてきたので、フォワード(FW)第三列の右フランカーだ。

 

それからしばらくして、浦安のおじさん達が集まりラグビーのクラブチームを立ち上げた。自宅からも近いし、毎日曜日の活動なのでそのチームに入ることにした。チーム名は浦安アゼリアーズ。

 

クラブチームは初期の頃は未経験者などが寄り合って始めるのだけど、そのうち活動が活発になると、ついこの間まで大学のラグビー部の現役でバリバリやっていたという経歴の人たちが集まり始める。そうすると、古くいる中年も次第にゲームに出されなくなり、なんのために練習しに毎日曜出席するのかなどと、疑問を持つようになってくるのですよ。そういう時間を経て、40代半ばでラグビーにサヨナラ。今度は格闘技ではない球技、テニスにハマるようになってしまった。

 

いや、そうではない、ラグビーの話だったのだ、戻そう。

 

我が遠軽高校、11回の花園大会出場だが、なかなか勝てない。1回戦敗退ばかり、たまに勝っても2回戦がいいところ。

今回はどこまで勝てるか、CATV のJ  SPORTS1〜4で放送していたが、契約外のチャンネルでその試合は見れず、翌日の新聞報道で散ってしまったということを知った。

また、次、頑張ってください。このジジイ、天国に召されるまで応援、続けますよ。

2023.12.29付毎日新聞東京本社版朝刊掲載紙面より