志の輔のらくご「大河への道」を二度聴いて、そしてその映画もつい最近観た。
香取市の職員が伊能忠敬の大河ドラマをNHKへ働きかけようとして、著名な脚本家とその企画を推進中に伊能忠敬の「伊能図」が忠敬の没後3年に完成されたことが分かり、大河ドラマを断念せねばならなくなったという筋書き。
この志の輔のらくご「大河への道」の初演は2011年だったが、伊能忠敬のことを書いた井上ひさし著「四千万歩の男 蝦夷篇」が発刊されたのが1986年。
同じ井上ひさし著「四千万歩の男 忠敬の生き方」にこんなことが書かれていた。
NHKの大河ドラマはいつも忠臣蔵をやったあと幕末をやって、幕末のあと戦国時代の秀吉をやって、また忠臣蔵をやるというぐあいにこの三つのタライ回しをやっていますね。NHKは全国に支局もあるし、伊能忠敬をやったら日本中を歩くわけですから、NHKとしては大サービスになる。だから、あわよくばNHKで買いにこないかと思いましてね。
半ば冗談ですが、大河ドラマの原作を一度やりたいと思ったんです。じつに不純な動機ではじまったのですね。
伊能忠敬は、全国の海岸線を全部回った人です。NHKの支局は全国にあるので、それに一番合う歴史上の人物というと、伊能忠敬じゃないか。八百枚くらいで書くと、ちょうど一年くらいの連載になるので、それが大河ドラマの原作になって、少しは本も売れるとか、いろいろばかなことを考えた。
「伊能図」は伊能忠敬が死後3年後に高橋至時の子高橋景保の手により完成され、幕府に上程されている。幕府の命を受けて蝦夷東部、南部の測量から始まり、本州東海岸、奥羽西半分、10回目の江戸府内で終了しているが、伊能忠敬はその回ごとに幕府に地図を上程していた。
部分図はすべて伊能忠敬が作成済みであった。
この本、まだ読み始めて間がないが、「忠敬の生き方」、一身にして二生を経るを教えてもらいましょう。