FULL MOON 8
「あなたは誰なんですか」
すい、と目を細め大袈裟に首を振る。
「なっていないね。親御さんの教育!嘆かわしい。自分から名乗ったらどうだい」
知ってるくせに。カラスを自宅に遣わせるくらいだから、こちらの素性なんて調べがついているはずだ。
「俺は周防 朔哉。あなたは誰なんですか…いったい何物ですか」
その存在自体が、謎で不思議だ。
出会った時、人ではない物を相手にしていた。動物かといえば違う。もっと、まがまがしい存在だ。
「私のことは、ジョーカーと呼んで頂きたい。何物だと聞いたね、切り札さ」
ひゅっと風が頬の脇を抜けていく。風切り音が耳を揺すり、体の力を奪っていく。
「なぜ、呼び出したんですか?今まで放っておいて」
罪悪感があるなら、責任を取れと訴えてもいい。しかし…そんなことは通用しない…きっと守れないのが、悪いのだ。そう言われる気がした。
「こちらにも事情があってね。そちらを巻き込んだ手前、調べさせてもらった。」
手を組むと、きゅっと革の擦れる音がした。
「君には素質がある。だからこれは必然さ」
かっと頬に血がのぼるのがわかった。それでも、相手の機嫌を損ねないよう怒りを押し込める努力をする。
「必然だなんて…この事件で運命を狂わされた人だっているんですよ」
「そうだ。君の意見はもっともだ。しかし、そちらが正しい運命だと証明できるかね」
組んだ革手袋の人差し指だけを立ててみせる。
「この世に生を受けた姿で居られないし、記憶すら改竄されているのに?それが正しくはないんですか」
「こうなるように運命づけられていたとは思えないかね」
「後づけの理由みたいじゃないですか」
黒猫は明らかに戦闘体制で、毛を逆立てた姿は一回り大きく見えた。緑ががった瞳からは稲妻がはしりそうな剣呑さが見て取れた。
「そうさ。理由なんてどうだっていい。今ここにある現実こそが全て、運命なんだよ」
風がジョーカーを中心にして巻き起こる。服の裾がはためいて、木々が枝を揺らすのにジョーカーの服は微動だにもしない。ぴしりと折り目のついたままだ。
どうしたら俺は必要な情報を聞きだせるだろう。
すい、と目を細め大袈裟に首を振る。
「なっていないね。親御さんの教育!嘆かわしい。自分から名乗ったらどうだい」
知ってるくせに。カラスを自宅に遣わせるくらいだから、こちらの素性なんて調べがついているはずだ。
「俺は周防 朔哉。あなたは誰なんですか…いったい何物ですか」
その存在自体が、謎で不思議だ。
出会った時、人ではない物を相手にしていた。動物かといえば違う。もっと、まがまがしい存在だ。
「私のことは、ジョーカーと呼んで頂きたい。何物だと聞いたね、切り札さ」
ひゅっと風が頬の脇を抜けていく。風切り音が耳を揺すり、体の力を奪っていく。
「なぜ、呼び出したんですか?今まで放っておいて」
罪悪感があるなら、責任を取れと訴えてもいい。しかし…そんなことは通用しない…きっと守れないのが、悪いのだ。そう言われる気がした。
「こちらにも事情があってね。そちらを巻き込んだ手前、調べさせてもらった。」
手を組むと、きゅっと革の擦れる音がした。
「君には素質がある。だからこれは必然さ」
かっと頬に血がのぼるのがわかった。それでも、相手の機嫌を損ねないよう怒りを押し込める努力をする。
「必然だなんて…この事件で運命を狂わされた人だっているんですよ」
「そうだ。君の意見はもっともだ。しかし、そちらが正しい運命だと証明できるかね」
組んだ革手袋の人差し指だけを立ててみせる。
「この世に生を受けた姿で居られないし、記憶すら改竄されているのに?それが正しくはないんですか」
「こうなるように運命づけられていたとは思えないかね」
「後づけの理由みたいじゃないですか」
黒猫は明らかに戦闘体制で、毛を逆立てた姿は一回り大きく見えた。緑ががった瞳からは稲妻がはしりそうな剣呑さが見て取れた。
「そうさ。理由なんてどうだっていい。今ここにある現実こそが全て、運命なんだよ」
風がジョーカーを中心にして巻き起こる。服の裾がはためいて、木々が枝を揺らすのにジョーカーの服は微動だにもしない。ぴしりと折り目のついたままだ。
どうしたら俺は必要な情報を聞きだせるだろう。
ミルフィーユ
さっくりとした生地に
カスタード
かさねて かさねて
ミルフィーユ
いちごののった
ミルフィーユ
幸せを感じる
ガラスケースには
作った人の夢や幸せや
笑顔にあふれている
口にできる美しいもの
心も体も満たしていく
カスタード
かさねて かさねて
ミルフィーユ
いちごののった
ミルフィーユ
幸せを感じる
ガラスケースには
作った人の夢や幸せや
笑顔にあふれている
口にできる美しいもの
心も体も満たしていく
翼をやすめて
俯瞰して見る空は広くて
世界は果てしなくて
ひばりのように雲を目指して
高く飛ぶ日があり
空から落ちるように
安らげる場所を目指す日がある
そこには
なにがありますか
温かな食事と
お日さまの匂いのする布団
優しく笑う君
翼をやすめて
優しさに包まれる
お帰りなさい
世界は果てしなくて
ひばりのように雲を目指して
高く飛ぶ日があり
空から落ちるように
安らげる場所を目指す日がある
そこには
なにがありますか
温かな食事と
お日さまの匂いのする布団
優しく笑う君
翼をやすめて
優しさに包まれる
お帰りなさい