ふんわりシフォン -181ページ目

部屋の明かり

家の窓からは

明かりがこぼれて

あたたかな湯気に

食事の支度



部屋に入るなり

香りで

存在を知らせる

咲き乱れる花が

あること



そこにいるだけで

雰囲気を変える存在

そんな空気を纏えるのは

特別



誰に対してもでなくていい

自分にとって

特別な大切な

存在にだけでも

安らげる場所であるなら



それでいい

FULL MOON 41

黒猫にバスルームまで引きずって来られる。

必死にかじりついていたジーンズは、唾液で湿っていた。

「明け星、一緒に洗ってやろうか」

服を脱ぎながら見ると、しっぽがばたん、ばたんと振られた。

「……嫌なんだ」

「猫はいいんだもん。洗わなくて」

「洗ってきちんと乾かしてやっても嫌なの」

「いや」

「じゃあ洗ってやるよ」



シャツを脱いだ胸に抱えると、猫は体を突っ張って嫌がった。

「明け星、爪」

「嫌だ…朔也、いや」

「お前はね、風呂好きだったの大丈夫」

蛇口を捻ってお湯の温度を確認してから、片手で前脚を抱えてバスタブの縁に座る。

蛇口からシャワーに切り替えて猫にお湯をかけた。

始めはびくっと反応したけれど、諦めたらしくお湯で流されている。

FULL MOON 40

客室だと通されたのは、ツインベットルーム。普通のホテル並の広さがある。

バス、トイレに簡単な応接セット。



ふかふかしたベットは俺を誘っている。

飛び込んで、何もかも忘れて泥のように眠りたい。ふらふらとベットに近づくのを見た黒猫が、毛を膨らませて騒ぎ出す。

「ダメダメダメーーそんな汚れた格好じゃダメ!」

「洗ったよ、夜寝る前洗って干したのだから」

「お風呂入ってからにしなよ、入ってないじゃない」

「あー…水浴びくらいしたか」

体や頭が痒くなるのは、二、三日くらいで、それを過ぎたら意外にも平気だった。

「いつ」

「三日くらい前」

「お話にならないったら」

ジーンズの裾を噛んでぐいぐい引っ張っていく。