FULL MOON 夜を駆ける 5
「気をつけておくよ」
「山で何かあったりしたら大変」
普段出かけないような山奥まで来て、はしゃいで事故にあったりしたら、ハンやあたしが責められる。
きり、と爪を噛む。
「大丈夫だ、シュウメイ。オレも気をつけるし、子供を数人づつ組ませて行動させたらいい。もう少し先まで行こう」
先頭に立つハンを横目に、子供の列をやり過ごすと、後からついて行く子供のなかにスンホンを見つける。
伏し目がちに、ちらりとこちらを見て通り過ぎる。
苛立ちからまた爪を噛む。儒教が敬われているここでは、年上には従うことだと教えられている。
スンホンの首根っこを捕まえて問ただしてやりたい。ハンに邪魔されたのが悔しい。
烈火のような思いに身を焦がしながら、ふと見ると深々とした森には秋の日差しが降り注ぎ、実りをもたらしている。
深々とした静寂がある。
ほうっと息を吐く。焼けるような怒りは消えない。
ただ吐きだすのは今ではない。そんな気がした。
「山で何かあったりしたら大変」
普段出かけないような山奥まで来て、はしゃいで事故にあったりしたら、ハンやあたしが責められる。
きり、と爪を噛む。
「大丈夫だ、シュウメイ。オレも気をつけるし、子供を数人づつ組ませて行動させたらいい。もう少し先まで行こう」
先頭に立つハンを横目に、子供の列をやり過ごすと、後からついて行く子供のなかにスンホンを見つける。
伏し目がちに、ちらりとこちらを見て通り過ぎる。
苛立ちからまた爪を噛む。儒教が敬われているここでは、年上には従うことだと教えられている。
スンホンの首根っこを捕まえて問ただしてやりたい。ハンに邪魔されたのが悔しい。
烈火のような思いに身を焦がしながら、ふと見ると深々とした森には秋の日差しが降り注ぎ、実りをもたらしている。
深々とした静寂がある。
ほうっと息を吐く。焼けるような怒りは消えない。
ただ吐きだすのは今ではない。そんな気がした。