経済界が新政権を「実力派内閣」(佐藤義雄・住友生命保険社長)と称賛する背景には「円高の長期化で産業は疲弊し、即効性のある経済対策や円高対策が必須」(中鉢良治・ソニー副会長)との認識がある。
日本商工会議所の岡村正会頭は「1ドル=90円の為替水準を実現すべきだ」と指摘。日本建設業連合会の野村哲也会長(清水建設会長)も「内需主導型の経済運営」を要望し、即効性の高い公共事業で景気の腰折れを防ごうとする新政権に歩調を合わせる。
デフレ脱却へは、中長期的な対策が不可欠との認識も強い。日本百貨店協会の茶村俊一会長(J・フロントリテイリング社長)は「個人消費の本格回復には将来も安心できる社会保障制度の確立が不可欠」と注文。「成長戦略をきちんとしないと日本の再生はない」(東芝の佐々木則夫社長)との認識も広がる。
また、沖縄県尖閣諸島をめぐり緊張が高まる日中関係の改善には「期待と不安が半々」(日本航空の植木義晴社長)と、新政権の外交手腕を見守る姿勢だ。
一方、閣僚にベテランが並んだことで、経済界には「国内の既得権益に根ざした古い体質から踏み出せるのか」との懸念もあがる。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応では、日本貿易会の槍田松瑩(うつだ・しょうえい)会長(三井物産会長)が「国際社会に言うべきことをしっかり訴える積極姿勢」を要望している。農業団体などに配慮し参加表明が遅れれば、日本はルール作りなどから外され不利になるとの焦りからだ。
国内企業の競争力低下を招く電気料金値上げの回避も喫緊の課題。電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は、民主党政権の「原発ゼロ」政策を、「新政権においては見直す」ことを求めるが、再稼働判断は難航も予想される。
期待が先行する安倍政権の実力が試されるのはこれから。日本商工会議所の岡村会頭は、TPPと原発では「参院選後まで結論を先送りせず実現するように」新政権にクギを刺した。
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