下のわんこの「要求吠え」があまりに激しいとき
わっちは、ものすごく、焦る。
いったいどうして欲しいんだ、とか
何を求めているんだ、とか
吠えている心理を一生懸命
図ろうとする。
体重激増の件もあるので、
食べさせて黙らせるわけにもいかない。
肝細胞ガンの手術前は
いつ、また腫瘍の内側で出血するかと
気が気じゃなかった。
そんな心配をヨソに、下のわんこは
自分の我を通すために吠えまくる。
手術・入院を経て帰宅したあとも
やっぱり好き勝手に吠えまくっている。
どうなってんだ、この子は。
痛くないのか。
とりあえずは抜糸も終わって、傷口に異変もない。
あれだけ吠えまくっていても、だ。
恐らくもう、手術に関連するようなトラブル
傷口から出血するとか
そういうものはないだろう。
わっちが招いた結果でもあるが
体重増加も気になるところなので
消費カロリーを増やす意味でも、もう
好きなだけ吠えてくれ。
親バカなのだろうが
下のコも、もともとはカシコイ子だ。
要求を通そうとして吠えれば吠えるほど
着地点が遠くなることはいずれ覚えるはずだ。
どれだけ吠えても、わっちが屈しないことが
最重要課題である。
と、頭ではわかっているはずなのに
下のコに吠えたてられると異常に心拍数が上がって、
何かしなくちゃ
黙らせなくちゃ
そういう気になって、精神的に疲れてくる。
改めて申し上げておくが
「黙らせる」と言っても、手を上げたりしたことはない。
咬んだときは別として。
何でこんなに
要求吠えに対して焦るんだ、わっちは。
考えてみる。
そう、こういうふうに「考える」時間が持てている。
素晴らしいことだ。
これに毒母が絡んだら、「考え」ているヒマなんて、
ない。
とにかく、わんこに黙ってもらうしかない。
適当にオヤツを献上して
体重増加→病院で“教育的指導”→減量不可能→毎回“指導”
という悪循環。
さらに足の関節に負担もかかる…という最悪の事態を
「丸い方が可愛い」
という毒母の“鶴の一声”で、
わんこたちの関節は悲鳴を上げてはいたが
わんこたち自身は毒母から与えられるまま
好きなだけ好きなものを食べた。
そして脂肪肝になり、背骨が湾曲し、
身体には大きく負担がかかるが
胃袋だけはすくすくと成長し
体重も増加の一途を辿る。
わっちがいくらわんこたちの健康を考えて諫めても
毒母は毎度、同じことを言った。
「アンタに動物を飼う資格はない」
「アンタは冷たい、思いやりがない、あったかみがない」
何か違うでしょ~…
と思って
わかってもらおうと言葉を尽くせば尽くすほど
「減らず口ばっかり叩いてっ!」
という一言で全部、カタがつく。
たとえそれで悪い方向に向かったとしても
毒母もモラハラ元夫は
「あんたのせい」という言葉で
都合の悪いことはすべて、責任をわっちに負わせ続けた。
毒母が生きていた頃に比べて
最善の方法を考えて「動ける」という
普通に生きている人たちから見たら
ごくごく当たり前のことが、
今のわっちには本当に「幸せ」なことだ。
成功しても失敗しても、わっちのこと。
褒める人はいないが、責める人もいない。
わっちも人間なので
褒められたら嬉しいけれど
「責められない」ことの方が、比重は大きい。
自分でケアして、「次はうまくいく」ように
すればいいのだから
モチベーションは下がらない。
すげぇな、50にして成長してるじゃん、わっち。
なんて、思っちゃったりして。