わっち本来の性格としては、どっちつかずだったり

何だかはっきりしなかったりとか

そういうのは苦手である。

 

すっきりはっきり、パキッとわかるような感じが好ましい。

チョコレートを折る感覚だ。

 

だが、父が急逝していろんな問題が浮上して

状況を難なくこなすためには、はっきり言って

わっち自身を殺す必要があった。

 

それまでのモラハラ元夫との生活と

父が急逝したショックと

父が亡くなってからの毒母の圧と

父が亡くなってからのモラハラ元夫の圧

加えて、全部うまくやろうとして

わっちをわっちで殺し続けた結果

わっちはぶっ壊れた。

しかも、自分自身では「壊れた」ことにも

気づいていなかった。

 

長い付き合いの前の会社の先輩に、

「あんた、おかしいよ」

と言われるまで、目の前のことにいっぱいいっぱいで

わっち自身の異状にまったく気づいていなかった。

 

先輩は、やんわりと精神科への受診を勧めてくれた。

その病院は、先輩の親族もお世話になっているところで

信頼できるところだから、という保険も付けて。

 

先輩に精神科の受診を勧められた頃は、

ちょうど我が父の新盆を迎えたころ。

 

行政相手の諸々の手続きもやっとひと段落して

新盆にあたっての菩提寺とのやりとりも終わって

対外的なものが落ち着いた一方で

毒母とモラハラ元夫の圧が一段と厳しくなっていた。

 

毎日毎晩、やんわりと、ぬらりくらりと対峙していた。

 

誰も、わっちを「父が亡くなった」ことに対して

向き合わせてはくれなかった。

みんな、自分のことだけ、なのだ。

 

だからわっちは、すべてが終わった夜に

ひとり密かに、父と向き合った。

 

向き合えば、涙しか出て来ない。

 

火をつけたタバコを父にあげ

わっちのタバコにも火をつけて

紫煙をくゆらせながら、涙がこぼれてくる。

それが、3時間も4時間も続いて

それでも眠れない。

 

散々ケムリを吐いて、飲んだくれて

最後は毎晩、

「お父さん、迎えにきてよ」

と声にならない声をあげて泣いていた。

 

自分をさんざん、メッタ刺しにして殺してまで

何をどれだけやっても、揚げ足を取られて、最後は

「あなたのせいでしょ」

で片付けられる。

 

生きて、何をしたとしても、最後は

この一言で片付けられる。

 

言う側の心境は、わっちにはわからない。

ただ、恐ろしい言葉だというのはよくわかる。

毒母も、モラハラ元夫も、揉め事の最後には必ず

わっちにこう言うのだ。