「ようこそ、我が紅魔館へ」
厳かな雰囲気の部屋に柔らかな声が響く。
縦に長い部屋の奥、玉座のように装飾された椅子に1人の少女が座っていた。
深い青色の髪に紅い瞳。咲夜とはまた違った美しさがその少女にはあった。
「お嬢様、お連れいたしました」
咲夜が一礼し、前に出るように促す。
(この人が、レミリア・スカーレット…)
緊張した面持ちで前に出る。
「フフフ、そんなに緊張しなくてもいいのよ?」
「…分かりました」
(緊張するな、と言われてもね…)
そんな阨斗の心中を察したのか、レミリアが苦笑する。
「状況の説明を先にした方がよさそうね」
スッと真剣な眼差しをこちらに向ける。
「あなたは記憶を失い、博麗神社で倒れているところを霊夢に保護された。……間違いないわね?」
「はい…でも、その後に…」
「えぇ、霊夢から聞いてるわ。黒の塔を目にし、直後に謎の頭痛に襲われ、気を失った」
「その時のことを聞かせてもらおうかしら」
(あの時のこと…か)
「あの時…塔を目にした後、『声』が聞こえました」
「『声』…ね。誰のものか分かる?」
「………いえ、全く聞き覚えのない声でした」
「そう……」
少し考える素振りを見せたが、すぐに顔を上げ、その双眸をこちらに向けた。
「あなたに見せたいものがあるわ。間違いなくあなたに関係しているハズのものよ」
「…僕に関係しているもの、ですか」
「そうよ。パチュリー、彼をあの場所へ連れていって頂戴」
「…分かったわ」
少々気乗りしない様子でパチェがついてくるように促す。
「あ、あの、どこに行くんですか?」
来た時とはまた違う廊下を歩きながら尋ねる。
「見れば分かるわよ」
「はぁ……」
スタスタと歩いていくパチュリー。その表情は如何にも不機嫌そうである。
(何か悪いことしたかなぁ…)
~青年移動中~
「着いたわ」
「着いたって…これは…」
パチュリーに案内されたのは屋敷の外、庭園の一角だった。が、阨斗が驚いたのはそれではない。そこにあったモノだ。
夜空のような光沢の巨大な立方体がそこに鎮座していたのだ。
「私たちにも一切分からないものよ。貴方がここに運ばれてきた日に突然現れたの。気づいたらココにあった、て感じね」
「…………」
パチュリーの言葉など聞こえない程にその立方体を見つめる。
(僕は…これを、知っている…?)
手を伸ばし、それに触れる。冷んやりとした手触りが手の平全体に広がった。
「何か知っているの?」
パチュリーの問い掛けに「わからない」と答えようとした。が、
ドシュッ
「………ぇ?」
ふと見ると一本の剣が腹部を貫いていた。遅れてそこから紅色が、脳には激痛が伝わった。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぉぉぉっ!!!」
「阨斗!?…ひぐっ!」
近寄ろうとしたパチュリーの脇腹にも剣が突き刺さる。
「ぐ、ぎ、が……」
痛みに悶えながら剣が飛んできた方を見やる。
「ほう。まだ意識があるのか。感心、感心」
黒いコートを着た白髪の男がそこに立っていた。
「誰……だ…」
「自分のことすら分からない輩が、人に名を聞くか。……まぁ、良い」
ゆっくりと近づくと、阨斗に刺さっていた剣を一気に引き抜いた。
「があぁぁぁぁ!!」
「安心しろ。急所は外れているハズだ。まぁ、そっちの女は……ん?ほぅ、まだ息があるか」
見ると、呼吸こそ粗いが確かに息をしていた。だが、早急に手当をしなければ危ういのは確実だろう。
「ちゃんと狙って投げるべきだったな。そのままではツラいだろう?一思いに逝かせてやろう」
引き抜いた剣を逆手に持ち、高く掲げる。
「や、めろ…やめてくれ……なぜ、こんな…」
「理由なんてないさ。あったとしても今のお前には語らないがな」
男が掲げた剣を振り下ろそうとした。
「やめろぉぉぉぉぉぁぁぁっ!!!」
そこから先はよく覚えていなかった。気付いたら体が動いていたのだ。
血に塗れた手で立方体に触る。
口が、自然と動いた。
「アーティファクト《フルンティング》解放!!」
*あとがき*
え~、はい、今回も予定していたものとちょっと違った感じになりましたw
行きあったりばったりはキツいッスねww
次回、ついに戦闘シーンです!
ではでは(丿^ω^ヽ)
Twitter:kajikimaguro02
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