仕事納めと忘年会が思わぬ話になったこと。 | 明るい自閉症しいちゃんと私のときめき生活

明るい自閉症しいちゃんと私のときめき生活

重度の自閉症しいちゃんだけど、とても明るい女の子です。
私もしいちゃんにたくさんパワーもらってます。
子育てにちょっと疲れてしまった方にぜひ読んでいただきたいです。

しいちゃんは29才の女の子です。




自閉症で知的障害があります。



明るくて笑顔がかわいい女の子です。




私はしいちゃんのおかあさんで56才のシングルマザーです。



今日私は仕事納めでした。



職場の忘年会は夜だし、若者が中心だから、出にくいので、



職場のIさんとMさんの3人で忘年会をしました。



私は今年は体調を崩しがちだったのですが、



いろんな人に支えられて、仕事納めの日を迎えることができました。



仕事関係では、IさんとMさんに支えてもらいました。



同い年と1つ下の二人には、何でも話せる間柄です。



3人が集まると、



「何歳まで働く?」と言う話になります。



私はいつも、



「60才までは働くけど、その後は働ければ、61才、62才って短いスパンで考えていきたいな」



と言います。二人はとても健康なんだけど、



Iさんは、「私は60才までって思ってずっと働いてきたから、突然65才って言われても、気持ち的にがんばれないな」



と言いました。Mさんは50才を過ぎてから、体重が減り、やつれてきたと言いました。



私も痩せたなあと思って見ていました。



「周りもみんな痩せてきたって悩んでるよ」と言いました。



職場には私たち世代の人が多いのですが、



みんな痩せたきているというか、やつれてきています。



(私はこの職場に来て、10キロ以上太ったよなあ、私って苦労が表に出ないタイプだよな)



と思いました。私は若い頃から、



「苦労が外見に出ないタイプだね」とよく言われていたのを思い出しました。



思いがけず、自分の長所を思い出しました。



Mさんは、「60才でやめるのと、65才でやめるのとでは退職金変わるの?」と言いました。



私は「30万円くらいしか変わらないよ」と言いました。


(もう~!一緒に説明会行って聞いてきたじゃないかあ~大事な話してる時に寝てるからだよ~)


と思いました。説明会の日、彼女に限らず、ほとんどの人が居眠りしてました。疲れきっている56才。


そんなことを話していたら、Iさんの携帯に電話がかかってきました。


「息子が今年成人式なんだけど、写真屋さんから電話」


とIさん。



「息子が髪の毛を緑色にして写真撮るって言うの。もう勝手にすればっていう感じ」


と呆れていました。



「それって、シャンプーすれば取れるカラーなの?」とたずねると、



「取れないよ、それで仕事に行くんだよ、今は茶髪だけど、この前までシルバーだった」とIさん。



(どんな仕事してるんだろう‥)とびっくりしました。


「クリスマスも終わっちゃったね」とIさん。


「ケーキ食べて終わったよ」と言ったので、


私は今年のクリスマスケーキについて話しました。


「私はいつものケーキ屋さんでケーキを買ったんだ。毎年おいしく食べていたのに、今年はイチゴがすごく少なくて、間に挟まっているイチゴがほぼなかったのが、不景気を感じさせられたよ~」


毎年イチゴがいっぱい挟まっているのが、とてもおいしいのに、ほとんどクリーム。



世間では高島屋のケーキが話題になってるけど、



我が家のケーキもちょっとした衝撃でした。



するとMさんが、



「私はクリスマスの日、トイレで泣いていたよ」



と言うので、話を聞くことになりました。



今週に入ってから、旦那さんの機嫌が悪くて、



毎夜、毎朝お説教タイムがあって、謝っても許してもらえなくて、



仕事に遅れそうになったこともあったそうです。



「何にも悪いことしてないのに怒られる、謝っても許してくれない」



と言うのです。



「クリスマスの日、私が少しリラックスして旦那に話しかけたら、地雷を踏んでしまったみたい」


と言うから、Iさんは、



「リラックスしてって、いつもは緊張してるの?」とたずねました。



Mさんは「うん」と言いました。



私もびっくりしました。Mさんが家庭のことで悩んでいたのは知っていたけど、



いつも家で緊張しているとは知らなかったのです。


お金のことも旦那さんはIさんに厳しくて、



「60才までの3年間で娘の結婚資金を100万円貯めるから、お金を出すように」


と言ったらしく、子どもたちの学費で大変なので出せないって思ったんだけど、怖くて言えなかったとMさん。



(おいおい、3年間で100万円て、すごくハードル低くない?旦那一人で貯めろよ!)



(そもそも、結婚資金って親が出すものなの?)



(奥さんには厳しいのに、子どもには甘やかせ過ぎじゃない?)



とモヤモヤしました。



いろいろ話を聞いて、Iさんは、



「そうやって結婚生活続けていて、楽しい?」



とたずねました。Mさんは、



「ううん、これからも地雷踏まないように生きて行くしかないのかなと思う」


と言いました。私は、



「私は実家にいた時、いつも母親に謝っていたよ。悪いことしてないのに怒られるから謝ってた。謝っても謝っても許してくれなかった」



「最後は何で謝ってるのか、わからなくなったよ。」



「私の人生、離婚したことも、しいちゃんが障害があったことも大したことじゃなかった」



「何にも悪いことしてないのに、母親に怒られ続けたのが一番つらかった」


「今は家の中に、怒る人がいないことが幸せだよ」


と言いました。向かいに座っているIさんが涙目になっていました。



「しずくまさんはつらかったのに、しいちゃんを明るくていい子に育てたの、すごくえらいよ」


とMさんは言いました。



「しいちゃんはね、生まれつき天真爛漫だと思うんだ、私はしいちゃんの明るさに救われたんだ」


と私は言いました。



しいちゃんがいなかったら、ここまでがんばれなかっただろうなと思いました。



お昼頃始まった忘年会が、Mさんの告白から、夕日が見える時間になっていました。



「みんないろいろあるよね」



「私は子どもに、おかあさんはいつ仕事を辞めるかじゃなくて、いつ離婚するか考えた方がいいよって言われてるよ」とMさんが言うと、



「そうかもね」とみんなで笑いました。



人生長く生きていると、本当にいろいろあるなと思いました。



つらいことがあっても、それを経験して、それが学びになって、



周りへの感謝の気持ちが生まれたり、人の痛みがわかるようになる。



今年の仕事納めと忘年会は、思わぬ方へ話が向かったけど、


今日という日を、あの日お見舞いに来てくれた2人と迎えられたことを本当にありがたく思いました。


毎年このメンバーで集まって、今年も頑張ったねと言えたら、幸せだなと思いました。






これはオムライス。


これはティラミス。


おいしく食べられて良かったなあ。