自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
日曜日、しいちゃんと私はドライブに行きながら、スーパーに行きました。
ところがしいちゃんはいつもいくスーパーではなくて、Tスーパーの名前を連呼しました。
でもTスーパーは10時開店。まだ1時間近くあります。
私はTスーパーがやっていないことがわかれば、しいちゃんも納得するだろうと思いました。
ところがTスーパーに行ってみると、開店前にもかかわらず、
車はたくさん停まっているし、ドアも開いていました。
(やれやれ、店員さんたちの車だなあ)
(何でドアが開いてるんだろう)
と思いました。しいちゃんは、
車から降りて、どんどん入り口に向かっていきました。
「待ってよ~しいちゃん、まだやってないよ」
と言って追いかけました。
入り口に行くと、ドアは開いていたけど、
やっぱり開店前。
しいちゃんが入ろうとして私が止めていると、
店員さんがやってきました。
「まだだよ、待っててね」と男性の店員さんは優しく言いました。
「すみません、障害がある子で、お店がまだやっていないことがわからないんです」
と言うと、店員さんは、
「いいですよ」と微笑みながら言いました。
私はしいちゃんに引きずられらながら、
青果コーナーを通り越し、鮮魚コーナーまで行ってしまいました。
しいちゃんのすごい力に私は困ってしまいました、
鮮魚コーナーの店員さんたちは、仕事をしながら、私としいちゃんのことを見ていました。
「しいちゃん、後で来ようね」
「10時になったらお買い物できるからね」
「先にドライブにいこうね」
と言いました。しいちゃんは「ドライブ」という言葉に反応したのか、
しいちゃんは我に帰ったように、スーパーからすっとでていきました。
やれやれ。
しいちゃんはたまにこんなことがあるんだけど、
私は1つ気づいたことがありました。
店員さんにいくら見られていても、私は恥ずかしくなかったこと。
しいちゃんが外で困らせると、
昔は恥ずかしくて困ってたんだけど、
今は落ち着いて対応して、
人目を気にしないでいられるのです。
私はたくましいおかあさんになったなあと思いました。
それからドライブに行き、開店時刻になったから、
「しいちゃん、Tスーパー行く?」とたずねると、
「行かないよ、Bスーパーいくの!」といつものBスーパーの名前を連呼しました。
(なんだい、行かないのかい!)
と突っ込みたくなりました。
でも開店前の一悶着のおかげで、
私はまた少したくましくなりました。