自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
しいちゃんの秋冬の服にトレーナーがあります。
そのトレーナーはチャコールグレーで少し落ち着いた印象なのですが、
そのトレーナーにはつけ襟があり、
しいちゃんがトレーナーを着たあとに、
私がつけ襟を結んであげます。
このつけ襟は黒なのですが、とてもかわいいのです。
しいちゃんにお似合いなのです。
そして帰宅するとしいちゃんは
「取ってください」と私に言います。
朝、つけ襟をつけるとき、はずれてしまわないように、
私がぎゅっとしばるから、
しいちゃんは自分でほどけないのです。
こまむすびをぎゅっとしてあるから、
結んだ私もなかなかほどけません。
老眼の私はメガネをかけて、ほどきます。
しいちゃんに顔を近づけてほどこうとすると、
しいちゃん、何とキスをしてきました。
しいちゃんは私がキスをしようとしたのだと思ったのです。
私もしいちゃんとキスをするのが好きなので、
しいちゃんとキスをします。
でも「しいちゃん、おかあさんリボンをほどいてるんだよ~」と気を取り直します。
「は~ほどけた~」と言うと、すぐにトレーナーを脱いで、タンクトップになるしいちゃん。
しいちゃんは冬だけど、暖房もつけていない部屋でもタンクトップなのです。(しいちゃんは一年中家ではタンクトップです)
昼間はロマンチックな襟をつけて女の子らしいしいちゃん。
襟を外すときもロマンチックなキスをするしいちゃん。
だけど、一年中タンクトップで過ごすしいちゃんは、
本当は、たくましいちゃんなのです。