自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
昨日はしいちゃんの4回目のワクチン接種でした。
ここのところ、注射で困らせることなく、お姉さんになったとみんなから誉められているしいちゃん。
だから昨日も大丈夫だろうと安心してかかりつけのクリニックに行きました。
すぐに名前を呼ばれ、二人で注射の部屋に入りました。
先生の前で大きな口を開けるしいちゃんを見て、
(かわいいなあ)とのん気に思っていました。
そして看護師さんが注射を持ってやってくると、
しいちゃんは、
「注射やらない!注射やらない!」と逃げようとしました。
しいちゃんは必死だからすごい力で、
私が引きずられてしまいました。
すると看護師さんは、
「車で打とう、車で待ってて」
と言ってくれました。
私としいちゃんは車に戻りました。私は、
「しいちゃん、暴れちゃダメじゃん」と言いました。
車で待っていると、看護師さんが二人でやって来ました。
しいちゃんは素直にドアを開けて、
抵抗することなく、ワクチン接種は終わりました。
私は油断していたなと思いました。
最近は暴れることなく注射を打っていたしいちゃんだけど、
その前には必ず、
二人で何度も、
「注射は、逃げない、泣かない、あばれない」
と唱えながら、クリニックに行っていたのです。
でも今回は(もう大丈夫だろう)と思い、
合い言葉を唱えることなく、「注射を打つよ」と私から聞いただけで、
しいちゃんは注射を打つことになってしまったわけです。
「逃げない、泣かない、あばれない」はしいちゃんにとってとても大切な言葉で、
子どもっぽいけど、しいちゃんには必要な言葉だったのだと思いました。
でも気持ちを切り替えて、車の中で注射を打つことができたしいちゃんは、
とてもえらかったと思いました。
注射のあと、しいちゃんは私に、
「注射ちっくん、痛かったよ」
と言いました。私は、
「しいちゃん、頑張ったね、えらかったよ」
と誉めました。