自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
私はしいちゃんのおかあさんで55才のシングルマザーです。
私の今の職場は50代の女性が多く、
私はよく、
(みんなバリバリ働いていてえらいなあ…)
と感心してしまいます。
私はしいちゃんのお迎えがあるから、定時には帰らないとならないから、
みんなみたいに残業はしていません。
だから遅くまで残って仕事をしている人を見ると、
(頑張ってるね~)
と思うわけです。
少し前になるけど18日のこと。
私は職場で同じく50代の女性と二人で電話番を頼まれていました。
夏休み中だから出勤しているのは電話番の二人と、事務をしているやはり50代の女性の3人でした。
私は普段は忙しいから、彼女たちと個人的な話をする機会がなかったのですが、
電話番はとても暇なので、
二人と話をしました。
やっぱり話題は、定年が突然5年延びたこと。
これってなかなか衝撃的な出来事で、
私たち世代の女性の間で話題になるのです。
65才まで、体力、気力、そして脳ミソがついていくのだろうかと心配なのです。
私は養ってくれる人がいないので、身体が続くまで仕事はするつもりだけど、
一度60才で定年を迎え、再雇用で今よりお給料は下がってしまうけど、65才までフルタイムで働くというのが理想でした。
でも65才が定年になったら、そこまで頑張らないと退職金がもらえないじゃないか~ということなのです。
事務のHさんは、
「実は私、昔、家を建てたんだけど、旦那が働かない人だったから、追い出しちゃったんだよね」
「独身だから、働くしかないんだよね~」
と衝撃的な話をしました。
私はHさんが独身って知らなかったし、旦那さんを追い出したことももちろん知りませんでした。
すると私と電話番をしているSさんが、
「私、今日久しぶりにパソコン開いたら、パスワード忘れちゃって、ホントに困っちゃったんだよね」
「この前なんて、アパートの鍵の暗証番号忘れて、家に入れなくなったの」
「もう年をとったなって落ち込む~」
これはちょっと心配です。
話を聞くと、Sさんもアパートで一人暮らしをしている独身でした。
私は3人の中では一番年下なんだけど、
「私もこの前、他の人の車を自分の車と間違えて鍵が開かないと大騒ぎしましたよ」
「うちには娘もいて、障害が重いから、毎日綱渡りですよ~」
と言いました。
するとSさんが、
「私も毎日綱渡り。一人だから体調も崩せないでしょ?」
と言いました。
この日わかったこと。
たまたま出勤していた3人は、
誰にも養ってもらえないということ。
まあかっこよく言えば、自立しているということ。
(しいちゃんを養うために、1人でがんばらないと)
(養ってくれる人がいる人はいいなあ)
と私は思ったこともあるし、
私みたいな人って少数派だと思っていたけど、
こんなそばに仲間がいるなんて…と心強くなりました。
旦那さんを追い出してしまったHさんは本当にたくましくて、
「働かない人といるよりは、一人の方がまし」
と旦那さんを追い出したことを何度も強調していました。
今まで一人で頑張ってきたことを誇りに思っているのです。
体力や気力、そして脳ミソも衰えていくことは事実なんだけど、
その代わりに経験値というのが上がって、
楽になる部分も多いのかもしれないなと思いました。
私は二人と違ってしいちゃんがいるから、
しいちゃんのお世話とかいろいろあるけど、
周りに迷惑をかけることがあっても、
自分の健康を第一に考えて、
少し先になってしまった定年まで、
しいちゃんと一緒にがんばりたいと思います。
悩んでいるのは、私だけではないということがわかりました。