自閉症で知的障害があります。
明るくて笑顔がかわいい女の子です。
しいちゃんは重い知的障害があるのですが、
できることも増えています。
先日ご飯を食べた後のこと。
「しいちゃん、歯みがきするから、歯ブラシに歯みがきつけて持ってきてね」
とお願いしました。
先日のブログにも書いたのですが、
しいちゃんは歯みがき粉を歯ブラシに適量出すことができるようになったのです。
私はとても楽になりました。
そしてめんどくさがりの私は、
「しいちゃん、おかあさんの歯みがきも持ってきて」
とお願いしました。
しいちゃんは洗面所に行きました。
私はリビングで待っていました。
うちは狭いから、リビングと洗面所なんてさほど離れていません。
でもしいちゃんはなかなか戻ってきませんでした。
「しいちゃん、どうしたの~?」
しばらくして、しいちゃんは両手に歯ブラシを持って戻ってきました。
しいちゃんは私の歯ブラシを私に差し出しました。
「しいちゃん、ありがとう」
と言って、口の中に歯ブラシを入れたら、
ブドウの味がしました。
しいちゃんのこども歯みがきの味です。
しいちゃんは歯医者さんで、子どもの歯みがきを使うように言われているので、
28才になっても子ども歯みがきなのです。
しいちゃんがなかなか戻って来なかったのは、
私の歯みがきがどれかわからず、
悩んでいたのだと思います。
洗面台の棚は小さくて、歯みがきだけでなく、
クレンジングとか、洗顔フォームとかも一緒に並んでいます。
でもクレンジングとか洗顔フォームじゃなくて、
自分の子ども歯みがきを私の歯ブラシにつけてくれたしいちゃんはすごいと思いました。
きっと悩んだんだろうな。
洗面台の前で悩んだんだろうな。
私はしいちゃんに、
「これがおかあさんの歯みがきだよ」
と教えました。
しいちゃんは
「わかった!くんしゅ(おりこうになりますのこと)」と元気に言いました。
しいちゃんは素直ないい子だけど、
そんなことしいちゃんに頼まないで、
自分のことは自分でやらなくちゃと
反省しました。