今私としいちゃんが一番お気に入りの、激安スーパーです。
私は以前はこのスーパーが苦手で、普段は激安スーパーより少しだけ遠いTスーパーに行っていました。
Tスーパーもとても安いスーパーの1つでした。
Tスーパーは小さいスーパーでした。
私が激安スーパーが苦手だったのは、とても広くてまわるのが大変だったことでした。
私は買い物がとても苦手だったのです。
でも最近は焼きたてのパンがあったり、揚げたての天ぷらがたくさんある激安スーパーがとても好きになって、しいちゃんとよく行くようになりました。
しいちゃんは、ウィンナークッペというパンがとても好きで、あるときは必ず買っています。
パンはどれも98円なのです。
そしてしいちゃんはポテトチップスを買います。
レジの近くに山積みになっている68円のポテトチップスが好きなのです。
カルビーのポテトチップスが68円ってすごく安いと思います。
しいちゃんはかごにポーンと入れています。
そして二人でレジに向かうのです。
昨日も同じようにレジに並びました。
私のお会計の番が次になったときのことです。
しいちゃんが突然かごの中から、ポテトチップスを取り出しました。
私は思わず「しいちゃん、どうしたの?」と言いました。
私はしいちゃんがその場でポテトチップスを食べてしまうと思ったからです。
びっくりしました。
しいちゃんはポテトチップスの袋を持って、レジの近くのポテトチップス売り場に戻り、ポテトチップスを置いて戻ってきました。
私は呆気にとられ、しいちゃんを見ていました。
「しいちゃん、いらないの?」とたずねると、
「いらない!買わないよ♪」としいちゃんは言いました。
「ウィンナ-クッペ食べる♪」と言いました。
しいちゃんは心の中で、
(今日はウィンナ-クッペを食べるから、ポテトチップスはやめておこうっと)
と思ったのかもしれません。
(しいちゃんはそういうことを考えられるようになったんだな…)
と胸が熱くなりました。
しいちゃんの小さな判断は、小さく見えるけど、大きな成長だと思いました。
家に着き、ウィンナ-クッペを食べるしいちゃん。
私は美味しそうにウィンナ-クッペを食べるしいちゃんを見て、
私が買い物が苦手でたまらなかった頃、
二人暮らしを始めた頃からしいちゃんは、
本当は行きたくてたまらなかった激安スーパーじゃなくて、
私が買い物をしやすいTスーパーに、わがままも言わずについてきてくれたことに、
また胸が熱くなり、涙が出ました。
しいちゃんの心の底には優しい気持ちがいっぱいなんだなと改めて思いました。