日曜日の日帰りを終えて

戻った東京では酉の市の支度が続く





今回初年度と、思ったより時間がかかった




次回の復興支援チームの活動を来月に控えて



その前に現地での打合せに行きたい!




なんとか仕事を終えて、月末ギリギリの週末に遠野に向かった







陸前高田の総隊長は

この日から一度実家に戻ると、俺の到着と入れ代わりに




復興祭りを終えた上長部も、残った作業は最後の仕上げと言ったホントに細かな瓦礫拾いだけらしいが



総隊長不在のこの日


後を任された女性の隊長のバタバタした姿を見て上長部に入る事にした




思いのほか人数が多かったと、作業場所は後回しにしていた斜面になった



上長部の入口付近


港から来た津波が道路を乗り越えぶつかった斜面



民家も遠く、斜面もキツイ事のが手付かずにした理由だった




斜面には木が立ち並び


倒れた木と塩害で落ちた枝

その下に、斜面の上4、5㍍に渡ってビニールや木片が見える




5班体制で入るが、うちの班は男性ばかり


一番斜面のキツイ所を担当する





先ずはキツイ斜面の中腹

やや緩い場所に上がり、熊手を使って上からの枝を下に下ろした




下では安全を確認してもらいながら、それを収集場所に運んでもらった




枝や葉っぱを取り除くとその下から瓦礫が出てきた




そして黒い塊と異臭が…



予想通り、手付かずの場所から海産物


7ヶ月たったサンマやイクラ


箱に入ったままの物も出てきた




隣の班長も上長部の経験者


他の瓦礫を回収する為にも散乱する最後のサンマを取り除く事に決めた





斜面を横へと進むと倒れた木が横たわっている



下に見えるビニールやプラスチック


本来、回収する必要のない木だがなんとか退けたい




隊長から軽トラのロープを借りて太い木の元にかける



引っ掛かる枝を煽りながら少しつづ下へ引きずり出す



『下に入らないで下さ~い!』



キツイ斜面を利用して動き出した木を一気に下に落した!



そして引きずったまま平地へ運んだ




さらに大きな木は、二カ所にロープをかけてほど好い角材を通して天秤に4人で担いだ






斜面上での回収作業は進むが、形を無くした海産物が数ヵ所にも出てきた



みんなかなり辛い作業↓




他の班でも同じ


中には、臭いに耐え切れず気持ち悪くなった人も出た様子




その事に隊長の判断で


海産物は取り除かなくてよいと指示が出た




確かに取り出せば自分だけでない!



下にはそれを運んでくれる人達がいる





海産物と入り混じった瓦礫を、作業時間いっぱいまで丁寧に取り出した!






最後に残った手付かずの場所



これが最後のサンマだったと


そう思えば自分に付いた臭いも苦ではなかった




班での解散ミーティング



初めての体験に、驚いた人達もいたけど



そんな活動で上長部が綺麗になって来たと、班の中からも話が出た…






………
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10月半ば



東京では来月に迫る酉の市の支度が始まった




毎年助っ人と言う形で付き合ってきてはいたものの



今年は一部俺が請けるような形になった




なんせスケールの大きな行事


今の時代もあっていろんな事情や都合もあるようで

俺に話が回ってきたといった所




理由はともあれ俺がお役に立てるならと快く引き受けた






ちょうどこの頃に次の車が納車された


初乗りはすっかり前の車でお世話になってしまった福島の炊き出しになった




今まで岩手ばかりを気にかけてた俺


他の被災地にだって同じ想いだけど



実際に行ってみて知り合えた人達に想いは強くなる



しかし体は一つ!



他の被災地に行けないのも現実




トラブルと言う偶然が新たな地に出会いをくれた



月一と言うペースもあり

この会を介して福島にも関わって行こうと決めた




まぁここには付き合いの長い仲間もいるし

やりなれない炊き出しにも気兼ねなく参加出来た感じもある





それと最初の足湯に一緒に行った妹も誘った


なかなか休みが取れないと言う妹に、日帰りでも出来るボランティアだと!






当日の早朝の出発


途中都内で一人を乗せて
福島に向かった




ミニバンからセダンに
排気量が増えた車は、居住性は快適性はやや落ちたが

走行性能は上がった↑




東京から岩手の約半分



福島までの道程は初乗りにはよい距離



高速での安定性に東北がまた近くなったと感じた






前乗り隊と合流



全員が揃うとミーティングを兼ねてみんなで昼食に出た



前回と違い今日の参加者は多い




その中には俺と同じに、鳶仲間の誘いといつものメンバーも来ている




正直な心持ちは、誘いあった仲間とBBQといった所か
和やかな雰囲気





昼食を済ませると、買物班と段取り班に分かれた



俺は段取り班と、仮設住宅に向かう





コンロに鍋、それと鉄板


水道ホースに道具類も、前回よりも充実している





今回は下拵えはほとんどなく、材料が揃うとすぐに調理が始まった




俺は鉄板の焼きそば隊!



出来上がった焼きそばをトングでパッキングする



そばと具材をバランスよくと思うが、これがなかなか上手くいかない




調理用のビニール手袋があると手掴み作戦にでる




バランスもよく手際もよいが
出来立ての焼きそばは熱いのなんのって



横で一緒にやってる若い鳶仲間に



『火消しが熱いって言うんぢゃねぇっ!』



なんて言いながら

自分に激を入れた!






前回の教訓



自分の腹を満たしての調理だったが


目の前の出来立ての焼きそばに腹が鳴る↓






流れに乗った作業で人数の焼きそばが完成した




残る付け合わせのパッキングを手伝って


配達分を揃えると車に乗せた





今回は自ら配達を志願



もう一カ所の仮設に向かった





助手席には、ちゃんと名前を覚えたこの会の代表者



この焼きそばは被災された方々のご当地グルメと

期待と不安を抱えてお届けする




前回も帰り道に隣の代表と話したが、こちらの仮設には子供が多い




やっぱりそんな福島の子供達に会いたい






暗くなった集会所の前



前回と同じにバックでつけるよう誘導してくれる方


その周りで危ないと怒られる元気な子供達



皆さんに出迎えられ到着!




炊き出しを下ろすとすぐに配布!



前回に話を聞かせてもらった町会長と二名の方が今日も配布を手伝ってくれて


お互いに認識のある顔とスムーズに配布が出来た




わずかではあるけど
ここで認めてもらってる気がした




まだまだ出来る事がある!


そんな思いで仮設をあとにした…




………
三日目、上長部の復興祭り当日





本来なら祭日の今日は高速の混雑を避けて朝から帰る予定だったが



上長部の祭と聞いて、少しだけでも参加する事にした





いつもより早い時間に遠野を出発




復興、祭、と言う響きに気持ちも浮足立つ↑




今日のメインイベントは二つ



一つは初日に整地した丸太小屋の上棟式



そしてもう一つは、仮設の小学校の為に作ったグランドのお披露目式


このグランドも向日葵の頃から話は聞いていて

多くのボランティアで瓦礫を片付けた場所



それが今日、体育の日にお披露目が出来る



やっぱり浮足立ちます↑






上長部に入って行くと、丸太小屋の上に掲げられた錦の大漁旗が見える



見渡すと山間、谷合に見える上長部もすぐ先には太平洋


5本掲げられた大漁旗が漁師町のお祝いを伝える




いつもの駐車スペースには細かく白線が引かれ、多くの方が来るのを待っている




今日はここでの朝礼はしないと慌てた感じの総隊長


グランドの方をお願いしますと言い残し、長部の方との打ち合わせに丸太小屋に向かった





グランドにはテントの骨組みが積まれている


早速に拡げて、あとからバスを降りてきた皆さんに指示を出す




骨を組み、シートを張ってもらってる間に、テントの配置の確認



真ん中に大きく円形にスペースを作るようにテントを移動してもらい


テーブルとイスも配置した




お祭りの朝と言えば

町の方々とのこんな支度も東京では馴れた仕事



あとの細かな事をうちのメンバーに託し


俺は第一会場の丸太小屋にテーブルやイスを運びに行く





丸太小屋も、先に運ばれていたテーブルにスタンドマイクと
式典の準備が整ってきている




マイクの前には総隊長


慌てていた訳、
本日の司会進行と台本を片手に緊張した顔(笑)




丸太小屋にボランティアセンターで作ったくす玉をぶら下げると、

屋根の上に一昨日の大工のオヤジさん



上棟式に餅を撒くのに足場板とコンパネを並べていた




俺は正面にセットされたハシゴが気になり声をかけると



やっぱり見栄えが悪いから脇にかけかえようと、
ハシゴの移動と足場の延長をオヤジさんと一緒に段取り変え!



オヤジさん達の道具置場で足場板を探して、屋根の上にあがった



相変わらず口数は少ないが、この前と違って少し柔らかな顔にうかがえるオヤジさん




上がったついでに、風に纏わり付いてしまった大漁旗を治してると



下に居たオヤジさんからは、風に邪魔されうまく治せないでいる二人をからかうヤジも飛び出した↑




屋根の上から上長部を見渡すと

瓦礫一つ見えない


先のグランドにはテントに群がうビブスを付けたボランティア


真下には集まり出したおばちゃん達や子供達



ここからは見えない長部の奥、高台にある仮設住宅に小学校



今まで会う事も無かった多くの方、多くの子供達が居た事が改めてわかる






他のメンバーも第二会場の準備を終らせて駆け付けた



そして少し強張った総隊長の声で式典が始まった



俺らは会場脇、横に並ぶオヤジさん達の後ろに立った


区長さんに始まり、陸前高田市の方、ボランティアの代表と

式次第にのっとり挨拶が続く




すると

『〇〇さんは危ねぇからお前も上がれ!』


オヤジさん達はコソコソと餅撒きの打ち合わせ



そこへオヤジさんの奥さんが…



『あんた、みんなの前で喋るんだから帽子取れぇ!』


今日はちょっとよそ行きのオヤジさんだったが

奥さんには、いつもの帽子が気に入らないらしい(苦笑)



『まったく女はうるせぃなぁ↓』



隣のオヤジさん達、後ろの俺を見てニヤけるオヤジさん





正面のテーブルを見ると上に置かれたお盆に乗せられた大量の餅



木造などの上棟式


大工さんと共に式の裏方をするのも町鳶の仕事!



皆さんに先に上がってもらい、後から俺達が餅を上げると提案した





いよいよ餅撒き!



オヤジさん達に続き上長部の代表の方々

アメリカからの支援ボランティアの方まで


想像してた以上の人数と、皆さん年配の方ばかりが上がって行く!?



この日の記念にと多くの方で足場の上はいっぱい




ハシゴの上下途中にメンバーを配置して餅を上げる




俺らも上に上がって
お盆を持ったり、餅を手渡したり、あいたビニール袋の回収と黒衣に徹する




上を見て、思わず口を開け手を拡げて餅を追う人



上手く取れずに落ちてしまった餅を拾う子供達



手を振って待つ人



そんな光景に皆さんの笑顔を見たら目頭が熱くなってきた…




この日に立ち会えた事がなにより嬉しい!






餅撒きが終り、メンバーで手を添えて皆さんをゆっくりと下へ誘導する



下に目をやると、笑顔でこちらを見ている隊長達



俺も笑顔で答える↑



と、その後ろに見覚えのある顔に気づいた



初めて陸前高田に来た足湯の時に話を聞かせてくれた写真の好きなお母さんだった



ハシゴを駆け降りて人集りを抜けてお母さんを探す




『お母さん!お久しぶりです!』




偶然の再会


もちろんお母さんの手にはカメラ



興奮して話しかける俺に少し驚きながらも、相変わらずに早口に歯切れのよい喋り口で答えてくれた



今日の祭りで足湯があると聞いて、またボランティアさんに会えるかと楽しみ来たなんて言ってもらって


また目頭が…






ここから会場は第二会場のグランドに移る



ボランティアで用意する模擬店や足湯などの催しで復興祭りを盛り上げる




上棟式も終りグランドの準備も整ったと


俺らは出発時間を早めて東京に帰る事にした



連休の渋滞の心配もあるが、今のタイミングで出発しないと帰りたくなくなりそうで



総隊長に声をかけて車に乗り込む



車道に出て誘導してくれる総隊長は、いつものように大きく手を振るが



車が近づくと、深々とお辞儀をした




出発すると前からは大型バス



足湯隊の到着


初めての足湯で一緒だったお姉さんも来てると再会も期待したが、車の中でのすれ違い↓



会えなかったかわりに
あの時のお母さんが来てるとメールを送った



それからしばらくしての返信




『お母さんの旦那さんと長部の区長さん

なんとご兄弟でしたw(゚o゚)w』



どおりで一緒に居た旦那さんの顔を、俺は妙に気になりなんども見てしまって


言われればよく似ていると納得するやら驚くやら





初めて来た時のお母さん


その後に入った上長部



そして今日の再会に、お三方が繋がって

それは偶然なんかじゃなく


もしかしたら
今俺がここに居るのは

本当はなにかに導かれたのかもしれない




そんな事を思いながら

今回後部座席と安心したのか


いつの間に眠りについていた…




………
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